研究課題
最終年度は,1標本問題における平均ベクトルに関する検定について,3ステップ単調欠測データの下で,検定統計量の導出と帰無分布に対する近似上側パーセント点について議論し,標本数が少ない場合にも良い近似値を得ることに成功した.近似精度については,大規模なモンテカルロ・シミュレーションを行い,数値的評価を行っている.結果は学術論文に投稿し,査読を受け、採択されている.また,応用として,2ステップ単調欠測データの場合を含む平均成分の同等性検定についても議論し,平均成分間の近似同時信頼区間の導出に成功している.また,同様の議論として,2ステップ単調欠測データの下で,平均ベクトルと分散共分散行列の同時検定についても議論し,尤度比検定統計量の導出と帰無分布に対する近似上側パーセントを提案し,近似精度についてもモンテカルロ・シミュレーションにより評価を与えている.高次元データに対する問題については,歪度と尖度を用いた多変量正規性検定について新たな検定法とその性質を与え,また,プロフィール分析における並行性仮説検定などの検定問題に対して,検定統計量とその分布に対する漸近展開式の導出に成功し,論文としてまとめている.研究期間全体では、2ステップ単調欠測データを中心に1標本問題と2標本問題に対する平均ベクトルに関する検定問題について,その検定法と同時信頼区間の構成に成功し,近似精度について数値的評価を与えている.また,平均ベクトルと分散共分散行列の同時検定についても,2ステップ単調欠測データの下での尤度比検定について,いくつかの研究成果をあげている.高次元データについては,判別分析をはじめ,多変量正規性検定等の問題に対して,いくつかの統計的手法をあげ,成果をまとめ,論文として投稿中である.
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (19件)
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