研究課題/領域番号 |
23500371
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研究機関 | 長浜バイオ大学 |
研究代表者 |
池村 淑道 長浜バイオ大学, バイオサイエンス研究科, 客員教授 (50025475)
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研究分担者 |
阿部 貴志 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30390628)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | インフルエンザ / エボラ / 連続塩基組成 / 人獣共通感染症 / 核酸医薬 / ゲノム配列 / バイオインフォマティクス / オリゴヌクレオチド |
研究実績の概要 |
インフルエンザウイルスは人獣共通感染症ウイルスの1種であり、明確な宿主特異性が見られる。この宿主特異性に関する分子機構の解明を目的で、データベースに収録されたインフルエンザウイルスの全ゲノム配列を対象として、連続塩基組成(例えば4連塩基組成)に基づいたBLSOM解析(自己組織マップ法の一種)を行った。流行している宿主ごとの明確な分離(自己組織化)が見られ、連続塩基組成が宿主ごとに明確に異なっていることを明らかにした。直接にトリから、あるいはブタを経由してヒト集団へ侵入したインフルエンザウイルス株が、ヒトでの流行を繰り返す過程で、連続塩基組成が方向性のある変化をすることをも明らかにした。上記の知見を基に、過去に起きた流行の初期のヒト由来株に共通して見られる連続塩基類に注目し、それらの特異的な連続塩基モチーフ類がヒトでの流行の開始に有利となる連続塩基と予想した。これらの連続塩基モチーフ類の多くを備えているトリ由来株を、ヒト集団内で流行するリスクの高い株として推定し、その推定株を発表した。これらの成果は5編の論文に加えて、国内外の学会・研究集会において20回以上の発表を行っている。 エボラ出血熱も人獣共通感染症であるが、最終年度に西アフリカで流行し、世界的な脅威となった。インフルエンザで開発し手法を用いて、連続塩基組成が今回の流行の進行に伴って、月単位でも方向性のある変化をしていることを見出した。薬効性が失われ難い核酸医薬(オリゴヌクレオチド医薬)をデザインする上での重要な指針を与えている。この成果は、2015年5月にパスツール研(パリ)で開催されるエボラに関する研究集会で発表を行う。
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