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2012 年度 実施状況報告書

補酵素結合様式を考慮した次世代活性部位探索アルゴリズムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23500373
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

長野 希美  独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 主任研究員 (70357648)

研究分担者 加藤 毅  群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40401236)
キーワード酵素 / 補酵素 / 酵素反応 / 活性部位 / 構造
研究概要

代表者・長野は、活性部位での補酵素結合様式の分析を行うために、NAD(P)とピリドキサール・リン酸(PLP)を対象に解析を進めている。前年度に引き続き、NAD(P)結合酵素のヒドリド転移反応分類を行った。アルデヒド・デヒドロゲナーゼなど、ヒドリド転移反応と付加反応や加水分解反応がカップルしている場合も観られた。PLP結合酵素に関しては、活性部位が反応段階により変化するので、そうした変化を解析するために、アスパラギン酸アミノ転移酵素(EC 2.6.1.1; AAT)の活性部位構造を解析した。これまで、アミノ酸残基の解析用のプログラムしか用意していなかったので、アミノ酸残基以外のヘテロ原子を含む蛋白質構造(PDB)データの解析を行うためのシステムを構築した。このシステムを用い、活性部位の構造類似度としてRMSDを指標に、主成分分析を行った。アミノ酸残基に加えて、PLPのリン酸の3つの酸素を除く12原子を含んだ活性部位データを用い、主成分分析の比較を行った。AATは、2種類の基質の他に、反応過程で少なくとも8種類の反応中間体を生成し、そのうち6種類はPDBに存在する。PLPを含む活性部位の方が、RMSDのばらつきが小さく、主成分分析によるクラスタリングも変化したが、PLPを入れた効果は予想外に小さかった。
テンプレートとの局所構造比較のために重みなしRMSD が使われていたが、分担者・加藤は、重みつき RMSDを用いることを考え、重みを自動的に求めるアルゴリズムを開発していた。そのアルゴリズムでは、L∞ノルムと呼ばれる正則化関数を用いていたが、一般には別の正則化関数を用いた方が、予測性能が良くなることが知られており、正則化関数を変更すると汎用線形計画ソルバーでは最適化できなくなる。そこで、分担者・加藤は、正則化関数を変更した学習機械のための専用ソルバーを導出し、予備的実験を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

活性部位テンプレートを作るのに、酵素反応分類が必要で、予定よりも時間が掛かっている。また、当初の予定では、PLP酵素の解析を行う予定ではなかったが、研究内容を検討した結果、解析対象に入れるべきと判断し、作業内容が増えた。

今後の研究の推進方策

代表者・長野は、PLP結合酵素の活性部位の構造の類似度と各活性部位構造の主成分分析の結果を詳細に解析し、RLCP酵素反応分類に登録されている反応段階と相関がないか、基礎的なデータを収集・解析する予定である。PLP補酵素に対する酵素蛋白質の触媒残基の位置関係が、反応段階によって、どのような変化があるかを解析する。NAD(P)結合酵素に関しては、結合している蛋白質ドメイン構成により、NAD(P)のコンフォメーションに変化がないか、解析する予定である。
分担者・加藤は、正則化関数を変更した学習機械のための専用ソルバーについて、実データを使った評価実験を行う予定である。
これら解析結果を、学会発表・論文発表する予定である。

次年度の研究費の使用計画

新プログラムの開発を外注する予定であったが、外注先の会社が倒産し、予定を変更したため、若干繰り越すことになった。
繰り越した額に関しては、学会・研究会などへの出張旅費と参加費、論文の英文校正や掲載料、文献複写やPCや専門書の購入など、予算が不足しそうなところに充てる予定である。
また、プログラム開発に予算を充てることも検討している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Enzyme function prediction using active sites and ligand binding sites information

    • 著者名/発表者名
      Chioko Nagao、Nozomi Nagano、Kenji Mizuguchi
    • 学会等名
      第12回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知)
  • [学会発表] Analysis of enzyme structures and functions/酵素の構造・機能の解析

    • 著者名/発表者名
      長野希美
    • 学会等名
      BiWO2012
    • 発表場所
      産総研臨海副都心センター(東京)
  • [備考] 酵素反応データベース・EzCatDB

    • URL

      http://mbs.cbrc.jp/EzCatDB/

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公開日: 2014-07-24  

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