本研究では脳の代表的な長距離軸索である脳梁軸索の投射をモデルとして、神経活動依存的メカニズムによって軸索投射を再建することを試みた。マウスにおいては、脳梁軸索投射は生後2週で完成する。その期間、脳梁投射細胞の神経活動を抑制すると、軸索投射が途中で障害される。Tet off system、optogeneticsを用いた実験によって、生後10日目以降の特徴的な自発的神経活動パターンが脳梁軸索投射に重要であり、その期間に神経活動を補うことによって軸索投射を回復させることが可能であると示唆された。また、成熟過程にある皮質神経細胞では、各成熟段階に適した神経活動レベル・パターンがあることが示唆された。
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