脳形態形成時における層特異性・領域特異性制御機構の解明

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23500390
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 神経科学一般
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 大塚 俊之 京都大学, ウイルス研究所, 准教授 (20324709)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 脳形態形成 / 神経幹細胞 / 神経発生

研究概要

大脳皮質発生過程の神経幹細胞において各発生段階および脳領域特異的に発現する遺伝子の解析を行った。ニューロン分化への関与が示唆されたHbp1の機能解析を進め、Hbp1コンディショナルノックアウトマウスにおいて脳の形態異常、特に脳室の拡大と大脳皮質各層の菲薄化を認めた。Tet-On systemを用いてHes1の発現を操作するトランスジェニックマウスにおいては、Hes1の高発現により神経幹細胞の未分化性が維持され、胎生期および生後・成体脳において幹細胞プールの増大を認めたほか、大脳皮質領域におけるTbr2陽性の神経前駆細胞の減少と皮質浅層の菲薄化、および浅層ニューロン産生の遷延が認められた。

研究成果

• [雑誌論文] 哺乳動物の神経発生におけるノッチシグナルの遺伝子改変による可視化 (2013)
  • 著者名/発表者名: 今吉格, 下條博美, 坂本雅行, 大塚俊之, 影山龍一郎
  • 雑誌名: Cell. Mol. Life Sci 巻: 70(12) ページ: 2045-2057
  • DOI: 10.1007/s00018-012-1151-x
  • 査読あり
• [雑誌論文] 発生過程の脳においてmicroRNA9 はHes1 発現動態を調節することにより神経幹細胞の分化を制御する (2012)
  • 著者名/発表者名: Siok-Lay Tan, 大塚俊之, Aitor González, 影山龍一郎
  • 雑誌名: Genes Cells 巻: 17(12) ページ: 952-961
  • DOI: 10.1111/gtc.12009
  • 査読あり
• [雑誌論文] ヒストンメチルトランスフェラーゼESET は発生過程における神経前駆細胞のエピジェネティックな制御に必須である (2012)
  • 著者名/発表者名: Siok-Lay Tan, 西美幸, 大塚俊之, 他6名
  • 雑誌名: Development 巻: 139(20) ページ: 3806-3816
  • URL: http://dev.biologists.org/content/139/20/3806.long
  • 査読あり
• [雑誌論文] 大脳皮質発生過程における神経幹細胞の遺伝子発現プロファイリング及び神経分化制御因子の同定 (2011)
  • 著者名/発表者名: 大塚俊之, 下條博美, 松永充博, 他5名
  • 雑誌名: Stem Cells 巻: 29(11) ページ: 1817-1828
  • DOI: 10.1002/stem.731
  • 査読あり
• [雑誌論文] 成体脳における持続的なニューロン新生は生得的嗅覚反応に必須である (2011)
  • 著者名/発表者名: 坂本雅行, 今吉格, 大塚俊之, 他3名
  • 雑誌名: Proc. Natl. Acad. Sci 巻: 108(20) ページ: 8479-8484
  • DOI: 10.1073/pnas.1018782108
  • 査読あり
• [学会発表] 神経発生過程における遺伝子発現ダイナミクスによる神経分化制御機構の解明 (2013)
  • 著者名/発表者名: 下條博美, 播磨有希子, 前田勇樹, 大塚俊之, 他2名
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2013-12-13
• [学会発表] Hes1 強制発現による大脳皮質ニューロン産生遅延および生後脳における神経幹細胞の増加 (2013)
  • 著者名/発表者名: 大塚俊之, 影山龍一郎
  • 学会等名: 第5回国際幹細胞学会
  • 発表場所: エルサレム, イスラエル
  • 年月日: 2013-10-08
• [学会発表] 神経幹細胞における遺伝子発現プロファイルングおよび大脳皮質形成過程における神経分化制御因子の同定 (2011)
  • 著者名/発表者名: 大塚俊之, 他6名
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-13