グルタミン酸は神経細胞間の情報伝達を担う神経伝達物質の一つで、その変調は、てんかんやアルツハイマー病との関連が指摘されている。ヌクレオチドはグリア細胞などから細胞外に分泌され、脳内神経幹細胞の増殖を促進する事が報告されている。 本課題では、幹細胞を神経細胞に分化誘導する過程でヌクレオチドを処理するとグルタミン酸作動性神経細胞が産生される事を明らかにし、そのサブタイプ選択に関与する受容体と情報伝達系を示した。今回得られた結果は、未だ不明な点の多い神経細胞サブタイプ選択機構に新たなメカニズムを示しただけでなく、脳内グルタミン酸濃度の制御による精神、神経疾患の治療法開発のための基盤となりうる。
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