研究課題
本研究は神経伝達物質が意思決定に与える影響を健常人および脳損傷患者を用いて探求することを目的に計画された。平成23年度は視覚性注意の影響を定量的に評価するための行動課題を開発し、ハードエアを準備し数人の被験者で基礎データを収集するところまで計画を達成した。 具体的には課題の制御のためWindows OS7 コンピューターを購入しMatlabおよびPsychophysics toolboxを準備した。被験者の眼球位置を測定するためにEYELINK社の光学的眼球位置測定装置を購入設置した。被験者はターゲットを検出したらレバーを押して報告し、この反応はTTLシグナルとしてDIOインターフェースを通してデータ収集用コンピューターに記録される。眼球運動はアナログのリアルタイム計測を行いデータ収集用コンピューターに記録する。これまでのところ行動課題のプログラム開発とデータ収集のシステムをほぼ完成した。さらに実験計画について本学倫理委員会から承認を受け、基礎実験データの収集を行った。 今後、薬物投与を含めた本実験を進めていく予定である。薬物負荷なしの実験(実験1)、L-dopa [ネオドパストン 100 mg]負荷実験 (実験2)、donepezil [アリセプト 5 mg] 負荷実験 (実験3)の3回の実験に参加する健常被験を広告を出して系統的にリクルートし実験を行い、データを収集する。さらにデータ解析用のソフトウエア開発を行う予定である。
3: やや遅れている
震災後の学内業務、病院業務、地域医療業務の混乱、業務量の増加などがあり当初の予定よりやや遅れているがおおむね予定した道筋で進んでいるので今年度はピッチをあげて研究を進めたい。
前年に引き続き被験者を募集してデータを収集する。5人終了時に中間解析を行う。この時点で仮説どおりに薬物によって行動が変化する傾向が見られれば引き続き被験者を募集し実験を継続する。もし中間解析の結果が予想と異なる場合は測定装置の精度、行動課題が適切であるか、薬物投与量等が十分であるかを見直す。データ解析を行い学会発表、論文発表を行う。
実験の継続にあたり被験者への謝金、消耗品の補充に費用がかかる。また、学会発表のための旅費を含む費用、論文発表のための資料入手、投稿量が必要になる。
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