研究課題/領域番号 |
23500393
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
小林 俊輔 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30579272)
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キーワード | ドパミン / アセチルコリン / 神経伝達物質 / 動機づけ / 半側空間無視 |
研究概要 |
柔軟で効率的な意思決定には動機付けや注意機構が重要である。動機づけに関わる神経機構として基底核や皮質に投射する中脳ドーパミン系が、注意機構による情報の取捨選択には前脳基底部から皮質へのアセチルコリン系投射が重要と考えられている。しかし、臨床的にこれらの物質の薬理作用を認知機能障害の治療のために検討した研究は少ない。 本研究は神経伝達物質が意思決定に与える影響を健常人および脳損傷患者を用いて調べることを目的とする。具体的にはドパミン、アセチルコリンを修飾する薬剤であるネオドパストン、アリセプトを投与したときの視覚刺激弁別能力を定量的に評価し、神経伝達物質の行動への影響を調べる。 これまでにコンピューター化したシステムを用いて制御し、被験者はモニター上に提示された画像をみてボタンを押して意思決定を報告する行動課題の開発を開発し、テストデータの取得している。 本年度は神経精神疾患の既往のない右利き健常人男女および、右大脳半球損傷後左半側空間無視を呈する症例を用いてのデータの収集を行っている。これまでのところ副作用その他の問題なく、研究が進行している。 今後症例が蓄積した段階で視覚弁別、方向性注意能力にドパミン、アセチルコリンが及ぼす影響を解析する。もしこれらの薬剤が視覚弁別、方向性注意能力を改善する結果が得られればこれらの薬剤について認知機能障害の治療薬としての有用性が示唆される。その場合はさらに大規模な臨床試験が検討される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
震災後の混乱で実験準備が遅れたこと、および研究の目的に合う被験者症例が少なかったことからデータの取得が現状では予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き被験者を募集し、実験を継続する。得られたデータの解析を行い必要な追加実験を行う。症例が十分集まらない場合、健常者のデータを中心とした認知心理学的研究として成果を出す。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に使用する予定の研究費としては被験者への謝金、使用しているコンピュータープログラムの年次ライセンス更新料の支払い、学会出席のための旅費などである。
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