動物(麻酔したラット)実験を施行し、大脳皮質と視床が構成するループ回路網の感覚情報処理と伝達を制御する視床網様核で、聴覚、視覚、体性感覚入力が干渉することを解剖学的、電気生理学的に示した。干渉は異種感覚情報の統合に関与する高次視床核のみならず、特定種の感覚情報処理に関与すると考えられていた1次視床核に投射する2種類の視床網様核細胞で発生する。また、2種類の視床網様核細胞が特異なバースト活動特性で聴覚及び視覚の情報処理を制御する神経機構が存在すること、干渉を仲介する求心性連絡が存在することを示した。更に、機能が聴覚情報処理に特化する1次視床核細胞の聴覚反応に体性感覚が影響することを明らかにした。
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