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2013 年度 実績報告書

Cbln-デルタ1グルタミン酸受容体系のシナプス可塑性における機能解明と精神疾患

研究課題

研究課題/領域番号 23500399
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

幸田 和久  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (40334388)

キーワードデルタ型グルタミン酸受容体 / Cbln / AMPA受容体 / 小脳 / 海馬
研究概要

デルタ1受容体(GluD1)欠損マウスの行動解析から、遅延恐怖条件付けの障害があることが明らかになったが、この学習は嗅内皮質から海馬CA1のTA層への入力が関していることが分かっており、さらに同回路にはGluD1とそのリガンドであるCbln1及び4が発現している(論文投稿準備中)。この回路の電気生理学的解析を進めたところ、AMPA受容体の反応に対するNMDA受容体の反応の比が大きくなっており、さらにLTPの誘導に障害のあることが判明した。平成24年度の研究から、Cbln-デルタ型グルタミン酸受容体(GluD)のシグナリングの下流にチロシン脱リン酸化酵素であるPTPMEGがあることが分かっている。一方、PTPMEGはGluDのみならず、2型NMDA受容体(NR2)にも結合し、かつ、そのリン酸化にも関与していることが知られているので、GluD1欠損によってPTPMEGのシナプス後部への集積が減少し、NR2のリン酸化状態が変化するために、LTPの障害が生じるとの仮説を立て、さらに研究を進めている。
GluD2-Cbln1シグナリングの研究では、GluD2及びCbln1欠損マウスにおいて、文脈依存性及び手掛り依存性恐怖条件付けの障害がみられた。GluD2と恐怖条件付けについては過去に報告があり、GluD2の発現が小脳に圧倒的に多いことから、小脳がこの障害の責任部位と考えられていた。しかし、GluD2は小脳のみならず、前脳にも発現していることが明らかになってきたため(論文投稿準備中)、今回、前脳特異的にCbln1を欠損したマウス(CaMKII-Cre/Cbln1-floxマウス)を用いて解析したところ、小脳でCbln1-GluD2系が正常に機能していても、恐怖条件付けが障害されることが明らかになった。この結果はCbln1-GluD2系が小脳のみならず、前脳(特に海馬支台、後脳梁膨大皮質)におけるシナプス形成、シナプス可塑性の障害をもたらし、恐怖条件付けの異常を惹起したことを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 記憶・学習のメカニズムを分子レベルで明らかに―記憶・学習を操作できるか

    • URL

      http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/medical_info/science/201404.html

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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