細胞内蛋白質輸送の異常によって生じる神経変性機構

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23500401
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 神経科学一般
• 研究機関: 東邦大学
• 研究代表者: 曽根 雅紀 東邦大学, 理学部, 准教授 (00397548)
• 研究分担者: 田村 拓也 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (80396647)
• 連携研究者: 岡澤 均 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50261996)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: ショウジョウバエ / 神経変性 / 神経変性疾患 / アルツハイマー病 / 認知症 / 細胞内タンパク質輸送

研究概要

本研究では、細胞内タンパク質輸送に生じた異常が神経変性・神経変性疾患の発症にいかなる役割を果たすのかを、ショウジョウバエ遺伝学を用いた研究手法によって解析した。われわれが発見したyata遺伝子は、アルツハイマー病の原因分子であるアミロイド前駆体タンパク質の輸送調節に必要とされる。われわれはyata遺伝子およびその関連分子について遺伝学的解析および分子機能解析を行い、細胞内タンパク質輸送異常がいかなる細胞メカニズムの異常を介して神経変性を引き起こすのかを明らかにし、神経変性疾患の治療法開発に結びつく手がかりを得た。

研究成果

• [雑誌論文] Systems biology alalysis of Drosophila in vivo screen data elucidates core networks for DNA damage repair in SCA1 (2014)
  • 著者名/発表者名: Sam S. Berclay, Takuya Tamura, Hikaru Ito, Kyota Fujita, Kazuhiko Tagawa, Teppei Shimamura, Asuka Katsuta, Hiroki Shiwaku, Masaki Sone, Seiya Imoto, Satoru Miyano, Hitoshi Okazawa
  • 雑誌名: Human Molecular Genetics 巻: 23巻 ページ: 1345-1364
  • DOI: 10.1093/hmg/ddt524
  • 査読あり
• [雑誌論文] A functional deficiency of TERA/VCP/p97 contributes to impaired DNA repair in multiple polyglutamine diseases (2013)
  • 著者名/発表者名: Kyota Fujita, Yoko Nakamura, Tsutomu Oka, Hikaru Ito, Takuya Tamura, Kazuhiko Tagawa, Toshikazu Sasabe, Asuka Katsuta, Kazumi Motoki, Hiroki Shiwaku, Masaki Sone, Chisato Yoshida, Masahisa Katsuno, Yoshinobu Eishi, Miho Murata, J. Paul Taylor, Erich E. Wanker, Kazuteru Kono, Satoshi Tashiro, Gen Sobue, Albert R. La Spada, Hitoshi Okazawa
  • 雑誌名: Nature Communications 巻: 4巻 ページ: 1816
  • DOI: 10.1038/ncomms2828
  • 査読あり
• [雑誌論文] Sox2 transcriptionally regulates PQBP1, an Intellectual Disabililty-Microcephary causative gene, in neural stem progenitor cells (2013)
  • 著者名/発表者名: Chen Li, Hikaru Ito, Kyota Fujita, Hiroki Shiwaku, Yunlong Qi, Kazuhiko Tagawa, Takuya Tamura, Hitoshi Okazawa
  • 雑誌名: PLoS One 巻: 8巻 ページ: e68627
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0068627
  • 査読あり
• [雑誌論文] A restricted level of PQBP1 is needed for the best longevity of Drosophila (2013)
  • 著者名/発表者名: Takuya Tamura , Masaki Sone , Yoko Nakamura, Teppei Shimamura, Seiya Imoto, Satoru Miyano, Hitoshi Okazawa
  • 雑誌名: Neurobiology of Aging 巻: 34巻 ページ: 356.e11-356.e20
  • DOI: 10.1016/j.neurobioaging.2012.07.015
  • 査読あり
• [雑誌論文] Ku70 alleviates neurodegeneration in Drosophila models of Huntington's disease (2011)
  • 著者名/発表者名: Takuya Tamura, Masaki Sone, Takeshi Iwatsubo, Kazuhiko Tagawa, Erich E. Wanker, Hitoshi Okazawa
  • 雑誌名: PLoS One 巻: 6巻 ページ: e27408
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0027408
  • 査読あり
• [学会発表] 脊髄小脳変性症I 型の病態を制御するDNA 損傷修復機構 (2014)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也, Sam S. Berclay, 藤田慶太, 伊藤日加瑠, 本木和美, 島村徹平, 田川一彦, 勝田明寿香, 曽根雅紀, 井元清哉, 宮野悟, 岡澤均
  • 学会等名: 第6回CBIR 若手インスパイアシンポジウム
  • 発表場所: 東京医科歯科大学(東京都文京区)
  • 年月日: 2014-02-02
• [学会発表] 複数のポリグルタミン病におけるTERA/VCP/p97 のDNA 損傷修復機能不全 (2014)
  • 著者名/発表者名: 藤田慶太, 中村蓉子, 岡努, 伊藤日加瑠, 田村拓也, 田川一彦, 笹邊俊和, 勝田明寿香, 本木和美, 塩飽裕樹, 曽根雅紀, 吉田千里, 岡澤均
  • 学会等名: 第6回CBIR 若手インスパイアシンポジウム
  • 発表場所: 東京医科歯科大学(東京都文京区)
  • 年月日: 2014-02-02
• [学会発表] 複数のポリグルタミン病におけるTERA/VCP/p97 のDNA 損傷修復機能不全 (2013)
  • 著者名/発表者名: 藤田慶太, 中村蓉子, 岡努, 伊藤日加瑠, 田村拓也, 田川一彦, 笹邊俊和, 勝田明寿香, 本木和美, 塩飽裕樹, 曽根雅紀, 吉田千里, 岡澤均
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸国際会議場, 神戸国際展示場, 神戸ポートピアホテル(兵庫県神戸市)
  • 年月日: 2013-12-04
• [学会発表] Genetic analysis of the Drosophila yata gene that controls intracellular trafficking of Amyloid precursor protein (2013)
  • 著者名/発表者名: Masaki Sone, Mami Shiohara
  • 学会等名: Neuroscience 2013 (Society for neuroscience annual meeting)
  • 発表場所: San Diego Convention Center(アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴ)
  • 年月日: 2013-11-11
• [学会発表] TERA/VCP/p97 のDNA 修復機能不全は複数の神経変性疾患に関与する (2013)
  • 著者名/発表者名: 藤田慶太, 中村蓉子, 岡努, 伊藤日加瑠, 田村拓也, 田川一彦, 岡澤均
  • 学会等名: 第32回日本認知症学会学術集会
  • 発表場所: キッセイ文化ホール・松本市総合体育館(長野県松本市)
  • 年月日: 2013-11-09
• [学会発表] 神経変性疾患モデルショウジョウバエを用いたバイオインフォマティック解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也
  • 学会等名: 第6回高次分子機能研究会
  • 発表場所: 軽井沢ホテル(長野県軽井沢町)
  • 年月日: 2013-09-17
• [学会発表] Causative pathway underlying in spinocellebelar ataxia type 1 (2013)
  • 著者名/発表者名: Takuya Tamura, Sam. S. Berclay, Kyota Fujita, Hikaru Ito, Kazumi Motoki, Teppei Shimamura , Kazuhiko Tagawa , Asuka Katsuta, Masaki Sone, Seiya Imoto, Satoru Miyano , Hitoshi Okazawa
  • 学会等名: 第36回日本神経科学大会・第56回日本神経化学会大会・第23回日本神経回路学会大会合同年会
  • 発表場所: 国立京都国際会館(京都府京都市)
  • 年月日: 2013-06-20
• [学会発表] 脊髄小脳変性症I 型におけるDNA 損傷修復遺伝子の効果 : in vivo スクリーニングによる解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也, Sam S. Berclay, 藤田慶太, 伊藤日加瑠, 本木和美, 島村徹平, 田川一彦, 勝田明寿香, 曽根雅紀, 井元清哉, 宮野悟, 岡澤均
  • 学会等名: 第54回日本神経学会学術大会
  • 発表場所: 東京国際フォーラム(東京都千代田区)
  • 年月日: 2013-05-30
• [学会発表] 脊髄小脳変性症I 型におけるDNA 損傷修復遺伝子の効果 : in vivo screening による解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也, Sam Barclay, 藤田慶太, 伊藤日加瑠, 本木和美, 島村徹平, 勝田明寿香, 塩飽裕樹, 曽根雅紀, 田川一彦, 井元清哉, 宮野悟, 岡澤均
  • 学会等名: 第5回CBIR 若手インスパイアシンポジウム
  • 発表場所: 東京医科歯科大学(東京都文京区)
  • 年月日: 2013-02-23
• [学会発表] Sox2 transcriptionally regulates PQBP1, an intellectural disability-microcephary causative gene, in neural stem progenitor cells (2013)
  • 著者名/発表者名: Chen Li, Hikaru Ito, Kyota Fujita, Hiroki Shiwaku, Yunglong Qi, Kazuhiko Tagawa, Takuya Tamura, Hitoshi Okazawa
  • 学会等名: 第5回CBIR 若手インスパイアシンポジウム
  • 発表場所: 東京医科歯科大学(東京都文京区)
  • 年月日: 2013-02-23
• [学会発表] PQBP1遺伝子発現量と症状の相関関係 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也, 中村蓉子, 塩飽裕樹, 岡澤均
  • 学会等名: 第31回日本認知症学会学術集会
  • 発表場所: つくば国際会議場(茨城県つくば市)
  • 年月日: 20121026-28
• [学会発表] SCA1 病態におけるDNA 損傷修復異常 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也
  • 学会等名: 第5回分子高次機能研究会
  • 発表場所: KKR ホテルびわこ(滋賀県大津市)
  • 年月日: 20120827-29
• [学会発表] 発現量依存的に寿命をコントロールする遺伝子, PQBP1 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也, 曽根雅紀, 中村蓉子, 島村徹平, 井元清哉, 宮野悟, 岡澤均
  • 学会等名: 第85回日本生化学会大会
  • 発表場所: 福岡国際会議場・マリンメッセ福岡(福岡県福岡市)
  • 年月日: 2012-12-15
• [学会発表] 発現量依存的に寿命をコントロールする遺伝子, PQBP1 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也, 曽根雅紀, 中村蓉子, 島村徹平, 井元清哉, 宮野悟, 岡澤均
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡国際会議場・マリンメッセ福岡(福岡県福岡市)
  • 年月日: 2012-12-14
• [学会発表] (2012)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也, Sam S. Berclay, 伊藤日加瑠, 黒巣佳祐, 塩飽裕樹, 島村徹平, 田川一彦, 勝田明寿香, 曽根雅紀, 井元清哉, 宮野悟, 岡澤均
  • 学会等名: 第35回日本神経科学大会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
  • 年月日: 2012-09-19
• [学会発表] 核内・核近傍の分子を標的とした神経変性疾患モデルショウジョウバエ研究 (2012)
  • 著者名/発表者名: 曽根雅紀, 田村拓也, 岩坪威, 岡澤均
  • 学会等名: 東京医科歯科大学・第3回難治疾患共同研究拠点シンポジウム
  • 発表場所: 東京医科歯科大学(東京都文京区)
  • 年月日: 2012-07-31
  • 招待講演
• [学会発表] DNA 修復タンパク質・Ku70 はハンチントン病の神経変性を抑制する (2012)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也, 曽根雅紀, 岩坪威, 田川一彦, Erich Wanker, 岡澤均
  • 学会等名: 第53回日本神経学会学術大会
  • 発表場所: 東京国際フォーラム(東京都千代田区)
  • 年月日: 2012-05-24
• [学会発表] ショウジョウバエを使って脳の病気を解き明かす (2012)
  • 著者名/発表者名: 曽根雅紀
  • 学会等名: 日本動物学会第64回関東支部大会
  • 発表場所: 東邦大学習志野キャンパス(千葉県船橋市)
  • 年月日: 2012-03-17
• [学会発表] 細胞内蛋白質輸送スイッチング機構の脳機能発現における役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 鈴木章弘, 曽根雅紀
  • 学会等名: 日本動物学会第64回関東支部大会
  • 発表場所: 東邦大学習志野キャンパス(千葉県船橋市)
  • 年月日: 2012-03-17
• [学会発表] 脊髄小脳変性症I 型におけるDNA損傷修復の関与 (2011)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也, 曽根雅紀, Sam Berclay, 伊藤日加瑠, 塩飽裕樹, 田川一彦, 岡澤均
  • 学会等名: 第34回日本神経科学大会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
  • 年月日: 2011-09-15
• [学会発表] ポリグルタミン病とDNA ダメージ (2011)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也, 曽根雅紀, 伊藤日加瑠, 塩飽裕樹, 田川一彦, 岡澤均
  • 学会等名: 第4回分子高次機能研究会
  • 発表場所: かんぽの宿(熊本県阿蘇市)
  • 年月日: 2011-08-28
• [学会発表] PQBP-1 を介したポリグルタミン病の認知障害の分子メカニズム (2011)
  • 著者名/発表者名: 田村拓也, 曽根雅紀, 岡澤均
  • 学会等名: 第52回日本神経学会学術大会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
  • 年月日: 2011-05-20
• [学会発表] in vivo スクリーニングに適した新規HD, SCA1 モデル動物の開発 (2011)
  • 著者名/発表者名: 阿部大数, 曽根雅紀, 田村拓也, 白石理沙, 岡澤均
  • 学会等名: 第52回日本神経学会学術大会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
  • 年月日: 2011-05-19
• [学会発表] SCA1 病態におけるDNA 損傷修復機構の関与 (2011)
  • 著者名/発表者名: 曽根雅紀, 田村拓也, 岡澤均
  • 学会等名: 第52回日本神経学会学術大会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
  • 年月日: 2011-05-19
• [産業財産権] 細胞腫選択的に光活性化可能なケージド化合物 (2013)
  • 発明者名: 古田寿昭、曽根雅紀、鈴木商信、岡映里
  • 権利者名: 学校法人東邦大学
  • 産業財産権種類: 特許
  • 産業財産権番号: 特願2013-36379
  • 出願年月日: 2013-02-26