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2011 年度 実施状況報告書

遺伝子改変マウスを用いた幼弱期GABAシグナルの機能に関する分子形態学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 23500413
研究機関琉球大学

研究代表者

高山 千利  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60197217)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードGABA / GAD65/67 / VGAT / KCC2 / Spinal cord / immunohistochemistry / Cell migration / Synapse formation
研究概要

1.GAD67-GFP knock inマウスの解析 ヘテロマウスを用いて、GABAニューロンの脊髄における発生過程を解析した。その結果、腹側のGABAニューロンは3グループ有った。E10頃生まれる最初のニューロン群は交連線維を出し、その後消失した。次の2つのニューロンはそれぞれE11, E12~13に生まれ、腹側全体に分布した。この結果は、現在投稿中の(Kosaka et al.投稿中)と、ほぼ同じ結果であった。これまで、行うことが出来なかったKCC2抗体、VGAT抗体との2重染色が可能になったので、現在その詳細な時間的空間的変化の解析を行っている。2.KCC2-KOマウスの解析 (1) GABAシグナルに関連する分子(GABA、GABA合成酵素)、シナプス小胞関連タンパク質(VGAT, シナプトフィジン)、ポストシナプス:GABA受容体の足場タンパク質(gephyrin)の局在変化を解析した。(2) 脊髄を構成する各種ニューロンのマーカー(calbindin, carletinin, parvalbuminなど)の抗体を用いて形態を解析した。(3)substance P, CGRPなどの抗体を用いて後根線維を染色し、入力線維の分布変化を解析した。以上を、野生型とホモマウスで詳細に比較検討した。しかしながら、今のところ異常は発見されていない。3.GAD75/67 double KOマウス、VGAT-KOマウスなどは現在ホモマウスを得るための繁殖を開始している段階で解析が進んでいない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1.3/11東日本大震災後の計画停電などのため、連携研究者の所属する群馬大学の動物施設でのGAD65/67 double KOマウス、VGAT KOマウスの繁殖が制限され、琉球大学への移送が大幅に遅れた。また、琉球大学での維持系統がなかなか安定せず、3月現在KOマウスのホモ接合体が得られていない。そのため、これらのKOマウスの解析が進んでいない。2.脊髄発達過程におけるGABAシグナルの発達変化(Kosaka et al. 投稿中)、Calbindinなどマーカー分子を用いた各種ニューロンの発生変化、後根からの知覚入力の発達変化等の解析方法は確立し、KCC2 KOマウスでは、現在のところ形態学的異常が発見されていない。3.ホモ・マウスが安定して繁殖すれば、直ぐに解析がスタート出来る状態にある。

今後の研究の推進方策

1.GAD 65/67(GABA合成酵素の2種類のアイソフォーム)double KOマウス、VGAT(GABA小胞関連タンパク質)KOマウスの系統維持に努める。2.GAD65/67 double KOマウス、VGAT KOマウスの解析を本格化する。(1) GABAシグナルの発達変化の異常を解析する。プレシナプス:伝達物質(GABA、グリシン)と合成酵素、小胞関連タンパク質、ポストシナプス:GABA受容体サブユニット、受容体関連タンパク質、シナプス形態 (2) 脊髄を構成するニューロンの発生・局在の異常を解析する。脊髄ニューロンのマーカーである各種転写因子(Evx1, En1, Lhx3, Chx10, GATA2/3, Sim1)を用いて免疫組織化学的に染色し、ニューロンの分化、細胞移動の異常の有無を明らかにする。(3) ニューロン形態の異常を解析する。Calbindinなどのマーカータンパクの免疫組織化学を行い、細胞の形態(樹状突起など)、軸索の分布の異常を解析し、神経分化の異常の有無を明らかにする。(4) シナプス構築を解析する。興奮性(VGluT)、抑制性(VGAT)、カテコールアミン系(TH, Serotonin)シナプスを免疫組織化学的に染色し、シナプス形成に異常が有るか否かを明らかにする。(5) 後根入力線維の異常を解析する。substance P, CGRPなどの抗体を用いて後根線維を染色し、入力線維の異常の有無を明らかにする。3.KCC2 KOマウス結果との比較 以上を通じて、GAD65/67doubleKOマウスに見られる異常を特定し、GABAの興奮性作用について明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

1.マウスの系統維持費用2.マーカー分子の抗体3.GABAシグナルに関連する分子の抗体作製費用4.試薬一般

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] GABA/glycine signaling during degeneration and regeneration of mouse hypoglossal nerves.2012

    • 著者名/発表者名
      Masaharu Tatetsu , Jeongtae Kim, Shinichiro Kina, Hajime Sunakawa, and Chitoshi Takayamaa
    • 雑誌名

      Brain Research

      巻: 1446 ページ: 22-23

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characteristic features of intracellular pathogenic Leptospira in infected murine macrophages.2011

    • 著者名/発表者名
      Toma C, Okura N, Takayama C, Suzuki T
    • 雑誌名

      Cellular Microbiology

      巻: 13 ページ: 1783-1792

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス舌下神経核における呼吸様リズム発火におけるCl-ホメオスタシスの生後発達変化2011

    • 著者名/発表者名
      岡部 明仁, 荒田 晶子, 清水-岡部 千草, 高山 千利 , 小西 史朗 , 福田 敦夫
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2011 – 914-917
  • [学会発表] 培養小脳グリア細胞におけるGABA制御にはトランスポータタンパク質が関与している2011

    • 著者名/発表者名
      栗本 侑依, 米澤 優 , 小林 和人, 穂積 直裕, 高山 千利 , 福田 敦夫, 山本 清二, 吉田 祥子
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2011 – 914-917
  • [学会発表] 脊髄損傷後のマウスにおけるGABAシグナルの変化2011

    • 著者名/発表者名
      Jaongate Kim, Chitoshi Takayama
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2011 – 914-917
  • [学会発表] Distribution of glutamic acid decarboxylase(GAD) immunoreactivity in oval squid brain.2011

    • 著者名/発表者名
      Shiori Kobayashi,Chitoshi Takayama and Yuzuru Ikeda
    • 学会等名
      International Ethological Conference
    • 発表場所
      Indiana University
    • 年月日
      2011 – 727
  • [学会発表] 脊髄発達過程における416セリンリン酸化Tau(PS416-Tau)の局在変化2011

    • 著者名/発表者名
      仲宗根綾乃, 高山千利
    • 学会等名
      日本解剖学会第67回九州支部学術集会
    • 発表場所
      宮崎県医師会館
    • 年月日
      2011 – 1022
  • [学会発表] マウス脊髄におけるGABAシナプスの生後発達2011

    • 著者名/発表者名
      上間一樹, 高山千利
    • 学会等名
      日本解剖学会第67回九州支部学術集会
    • 発表場所
      宮崎県医師会館
    • 年月日
      2011 – 1022

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公開日: 2013-07-10  

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