研究課題/領域番号 |
23500425
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
丹治 邦和 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10271800)
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研究分担者 |
若林 孝一 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50240768)
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キーワード | 神経変性 / アルツハイマー病 / パーキンソン病 |
研究概要 |
αシヌクレイン(aS)はシナプス末端に局在するタンパク質であり、神経伝達物質の貯蔵および放出の調節に関与することが示唆されている。本来、ASはタンパク質分解酵素で容易に可溶化されるが、シヌクレイノパチー(パーキンソン病、レビー小体型認知症および多系統萎縮症)では不溶性となることから、生理的機能が損なわれ、シヌクレイノパチーの病因の一つと考えられている。本研究において、不溶性ASの結合タンパク質の一つとして新規ユビキチン様タンパク質NUB1を同定した。本研究では、異常ASに焦点を当て、以下のことを目的とする。(1)多量に存在する異常ASの特徴(結合タンパク質、毒性、オリゴマーとの関連)を明らかする。(2)NUB1およびAS遺伝子改変動物を用い、生体内における異常ASの意義を明らかにする。 進行状況および結果(1)昨年度に作製したウサギ抗NUB1抗体を用いて、p62/sequestosome1(p62)との共沈および結合を確認した。さらにNUB1結合のp62量が正常対照例と比較してDLBでは増加していた。現在、リン酸化特異的p62抗体を作製し、シヌクレイノパチーを含む神経変性疾患での検討を行っている。(2)以下4群のマウス(30-52週齢)を用いた。(1)家族性の点突然変異(A53T)を導入したASトランスジェニック(Tg)マウス、(2)ヒト型NUB1を導入したNUB1 Tgマウス、(3)NUB1/ASダブルTgマウス、および(4)同腹の正常対照マウスである。現在行動学的および生化学的解析が進行中である。病理学的にはAS Tgマウスでは細胞質内にASの凝集体や前シナプスにタンパク質分解酵素に耐性を示す異常ASが認められる。一方、NUB1/ASダブルTgマウスでもこれらの凝集体および異常ASが認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子改変動物および複数の抗体を作製し、新知見が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り計画を進行する。遺伝子改変動物の行動学的および生化学的解析を重点的に詰めることにより最終年度の総括を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度残額は消耗品(ピペット、チップおよび細胞の培養液)として使用する。またH25年度研究費は計画通りに使用する。
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