グリオーマ組織内の細胞の多様性を検討するために、種々のヒトグリオーマ組織においてグリオーマにみられる代表的な遺伝子異常のマーカーであるイソクエン酸脱水素酵素1変異体およびその他のグリオーママーカー(MAP-2e、p53、DCX、nestin)、増殖マーカー(Ki67)、細胞系譜特異的マーカー(GFAP、Olig2、Iba-1)に対する免疫染色を行った。この結果、同一 腫瘍組織内において遺伝子背景の異なる腫瘍細胞あるいは腫瘍細胞様の振る舞いを示す反応性コンポーネントが存在する可能性が示唆され、真の治療ターゲットとなる腫瘍幹細胞を組織切片上に同定する試みの端緒となる知見を得た。
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