研究課題/領域番号 |
23500434
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
松本 弦 独立行政法人理化学研究所, 構造神経病理研究チーム, 研究員 (50415303)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | p62 / SQSTM1 / レポーターアッセイ / リン酸化 / 薬剤ライブラリー |
研究概要 |
多くの神経変性疾患において、神経細胞内のユビキチン化タンパク質の蓄積は共通した病理所見であり、神経毒性をもつ凝集性タンパク質は、p62タンパク質による選択的オートファジーによって分解除去されていると考えられている。本研究では、p62タンパク質の遺伝子発現を誘導する薬剤のスクリーニング等を行うことにより、p62タンパク質の発現誘導に必要な因子を同定することを目標としている。 平成23年度はp62遺伝子発現レポーターシステムの構築を行い、p62遺伝子のプロモーター領域のクローニングを行った。p62プロモーターの下流にGFP遺伝子を組み込んだGFPレポータープラスミドおよび、p62プロモーターの下流にルシフェラーゼを組み込んだLucレポータープラスミドを構築した。 それぞれのレポータープラスミドをNeuro2a細胞に導入し、プロテアソーム阻害剤(MG132)や重金属ストレッサー(塩化カドミウム)などで細胞を処理することで、レポーター遺伝子の発現が上昇することを確認した。また、Lucレポータープラスミドでは、プロモーター領域を分断した変異プロモーターレポータープラスミドを構築した。これにより、薬剤ストレスなどによるp62プロモータの活性化領域が絞り込めるものと期待できる。GFPレポータープラスミドの安定発現細胞株をNeuro2aおよびHEK293細胞で作成し、薬剤スクリーニングのための準備が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の実験計画にそって、研究は進んでいるが、薬剤スクリーニングに関しては次年度に繰り越した。ゲノムDNAからのヒトp62遺伝子のプロモーターよ領域のクローニングも成功し、研究目的に到達するための材料の構築はおおむね終了した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に従って、レポーターシステムを導入した細胞を用いて、薬剤スクリーニングを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験の進展が速かった場合に備えて申請したスクリーニングのための研究費を、スクリーニングを実際に行う次年度に繰り越した。薬剤スクリーニングのために、大量の細胞培養と、遺伝子発現を確認するためのイムノブロットなどに必要な試薬と、スクリーニングによりプロモーター活性を促進するものと抑制する薬剤などを購入する。また、学会に参加し、他の研究者らと情報交換するために旅費が必要となる。
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