小脳皮質における拡散性異種シナプス抑制が、エタノール(EtOH)によって用量依存的(25-50 mM:酩酊~泥酔時の血中濃度に相当)に阻害されることを発見した。EtOHの阻害作用は、プルキンエ細胞に発現するグルタミン酸輸送体EAAT4の特異的阻害薬により著しく減弱した。またEtOHの作用は、プロテインキナーゼC(PKC)ならびにPI3キナーゼ(PI3K)の阻害薬により完全に消失した。こうした結果に基づきEtOHには、PKC/PI3Kが担うタンパク質リン酸化カスケードを介してEAAT4の機能を亢進させることにより、神経伝達物質グルタミン酸のシナプス外拡散を減弱させる作用があると結論した。
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