研究課題
マイクロRNA (miRNA)は、タンパク質をコードしない小さなRNAで、標的遺伝子のmRNAに相補的に結合してタンパク質翻訳を抑制する。本年度は、生細胞内でのmiRNA活性をリアルタイムで測定するための新規蛍光センサーの開発を行った。この蛍光センサーを用いて、HeLa細胞内でmiRNAの発現が誘導されてからプロセッシングをうけて活性化するまでのkineticsをリアルタイムで測定することに成功した。また、マウスES細胞が神経系へ分化する際のmiRNA活性の経時的変化の測定を行った。さらに蛍光波長の異なる2種類の蛍光センサーを開発し、2種類のmiRNAの活性化のkineticsを同時に測定することを行った。この方法により、従来解析が難しかったin vivoでのmiRNA活性の時空間的変化の解析が可能になることが期待される。研究期間全体を通じては、上記に加え、細胞内カルシウムチャネルIP3受容体1型の部位特異的欠損マウスで発現が低下しているmiRNAや、神経細胞でカルシウム濃度上昇によって発現誘導されるmiRNAのスクリーニングを行った。同定されたmiRNAのマウス脳における発現を、in situハイブリダイゼーションなどにより解析した。これらのmiRNAは、IP3受容体1型欠損マウスの表現型に関与している可能性が考えられる。また、光分解性の保護基をmiRNAに付加することにより、光により活性化されるmiRNAの開発を行った。
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Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Molecular Cell Research
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1016/j.bbamcr.2014.01.031
PLOS ONE
巻: 8 ページ: e64658
10.1371/journal.pone.0064658
http://mikoshiba-lab.brain.riken.jp/indexj.html