• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

骨格筋細胞内で活性化したカルパイン3のリアルタイム検出システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23500477
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

尾嶋 孝一  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所 畜産物研究領域, 主任研究員 (60415544)

キーワード骨格筋
研究概要

骨格筋特異的に発現するタンパク質分解酵素であるカルパイン3の酵素活性不全が骨格筋細胞の変性・壊死の原因となる。そのため、カルパイン3の酵素活性は骨格筋細胞が正常に機能するためにはなくてはならない機能である。しかし、骨格筋細胞内で活性化したカルパイン3を検出するシステムがないために、カルパインの活性化機構の詳細は明らかになっていない。本研究では蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を利用し、活性化したカルパイン3をリアルタイムで検出する系を構築することを目的としている。本年度は昨年度に引き続き、FRETシステムを利用した活性化カルパイン3の検出システムの至適化、および細胞内での活性化したカルパイン3の検出を試みた。蛍光タンパク質であるCFPとVenus間にin vitroでのカルパイン3の切断アミノ酸配列を挿入した発現コンストラクトを作成した。蛍光分光計を用い、CFPとVenusの間に挿入する配列の長さ、挿入配列に含まれるアミノ酸の置換等を行い、活性化したカルパイン3を検出するためにコンストラクトの至適化を行った。作成したコンストラクトを骨格筋細胞および非筋細胞であるCOS細胞に遺伝子導入した結果、両細胞内でFRETが起きていることが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

カルパイン3はカスパーゼのような他のプロテアーゼとは異なり、切断部位におけるアミノ酸のコンセンサス配列がないため、発現コンストラクトに挿入するアミノ酸の長さ、種類を変えるとカルパイン3の切断能が変化する。また、挿入配列を変えるとFRETが起こる効率も変化するため、カルパイン3が切断する挿入配列の長さ、種類の最適化に時間を取られたためである。

今後の研究の推進方策

現時点で、カルパイン3の切断能、およびFRET効率の一番良いコンストラクトを培養骨格筋細胞に導入後、カルパイン3の活性化がどの細胞内小器官(筋原線維、ミトコンドリア、細胞膜、核など)で引き起こされるのかを検出する。細胞内小器官での活性化反応の検出が困難な場合は、発現コンストラクトにミトコンドリア移行シグナルなどの各細胞小器官特異的な移行シグナルを付加することで検出感度の改善を図る。さらに、培養骨格筋細胞に電気刺激を与えることで自律的に収縮・弛緩させ、活性化カルパイン3の検出を行う。

次年度の研究費の使用計画

培養細胞を生育させるための血清、培養液、ディッシュなどのプラスティック製品、さらに分子生物学的な実験を行うためのキット類を購入するために物品費として計上した。次年度は二つの国際学会に参加を予定しているため、学会参加費を旅費として計上した。本研究成果を論文にまとめ投稿するため、投稿費をその他に、英文校閲費を謝金として計上した。本年度は効率的な経費の執行に努めたほか、予定していた国際学会には参加できなかったため428,278円の繰越金が発生した。次年度に行われる二つの国際学会に参加するための経費として繰越金を有効に使用する予定である。

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi