研究課題/領域番号 |
23500478
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
仲村 厚志 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (50361829)
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研究分担者 |
中村 整 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (50217858)
仲村 朋子(吉川朋子) 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (30451397)
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キーワード | AMPK / 概日時計 / 視交叉上核 / 感覚 |
研究概要 |
本研究においては、AMP-activated protein kinase (AMPK) が、中枢および感覚器官における概日時計のリズム形成に深く関与する可能性について検討を行っている。昨年度はAMPKの活性化剤投与の効果について、時計遺伝子発現リズムの周期は延長し、振幅については一時的な増大の後、減衰がみられることを明らかにした。今年度は、それらの成果を論文としてまとめる作業を中心に行い、結果の解釈をめぐり難しい議論が続いたが、投稿直前まで至っている。 本研究は、北海道大学の設備を有効に利用することにより大きく進めてきたが、さらに研究のスピードをアップさせるため、実験の大部分を代表者の所属する電気通信大学において行うことを可能にするために、様々な手続き、機器、装置類の準備、さらには遺伝子改変動物の導入などを行った。遺伝子改変動物の繁殖を続けており、実験動物を様々な光環境下で飼育する装置もほぼ完成した。最も重要な発光リズム測定装置については、25年度早々に導入されることになっており、研究の効率が格段に進むと考えられる。 概日時計機構における、AMPKの関与する情報伝達メカニズムの様々な上流・下流分子について、薬理学的解析のほかに組織学的解析を行う準備を行った。時計蛋白質であるPeriod2に対する抗体を用いた染色を行い、他の分子の解析を行っていくための準備を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、成果を論文としてまとめる作業を中心に行い、結果の解釈をめぐり難しい議論が続き時間がかなりとられてしまったが、議論をとおして研究を新たに大きく展開するためのアイデアは多数生まれたため、今後に大きく生かせると考えている。また、これまで北海道大学において中心に進めてきた研究の部分を、代表者の所属する電気通信大学において行うことを可能にするために、様々な手続き、機器、装置類の準備、さらには遺伝子改変動物の導入などを行った。そのために、多くの時間と労力を費やしたが、今後は研究の効率が格段に進むと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
25年度早々に、発光リズム解析装置を導入することから、薬理学的解析の効率が飛躍的に上昇することが期待される。AMPK情報伝達の様々な上流、下流分子の解析を網羅的に行っていく。さらに、組織学的な解析を行う準備が人的にも整ったため、こちらについてもスピードアップを図りたい。まずは、視交叉上核におけるAMPK蛋白質の挙動について、これまで全く調べられておらず、本研究を進めるうえで大変重要な位置を占める実験のため、重点的に行っていく。感覚器についても、味覚、嗅覚いずれも、できれば同時に解析を進めていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
発光リズム解析装置を25年度早々に導入する。高額な機器ではあるが、24年度からの繰り越し金も合わせることにより導入し、研究の効率化を図る。25年度は研究が大きく進展することが予想されるものの、高額機器の導入により消耗品の購入費用が不足する可能性もある。そのため、必要に応じて次年度研究費の前倒しも行い、研究の進展の妨げにならないように努める。
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