研究課題
本研究の目的は、従来の非侵襲的検査では検出できなかった発作時異常高周波律動(high frequency oscillation: HFO)を脳磁図で捉え、その空間的拡がりや継時的変化を詳細に検討し、その領域が頭蓋内脳波結果といかに相関するかを検証することである。対象は皮質てんかん焦点切除に先立って、頭蓋内電極設置による慢性頭蓋内脳波モニタリングを要する難治性新皮質てんかん患者とする。難治性てんかん患者においては、まず非侵襲的な術前評価を行い、てんかん焦点の検索を行うが、これらには頭皮上ビデオ脳波モニタリング、MRI、PET、脳磁図を含む。対象患者において、発作時脳磁図データから得られたHFOを正距方位図法および傾斜磁場トポグラフィーにより解析し、推定されたてんかん焦点範囲が、慢性頭蓋内電極記録から得られた焦点範囲といかに相関するかを検証するために、これまで頭蓋内電極設置を要した5症例に対して、術前に発作時HFO検出を試みている。またこれらの一部は海外、あるいは国内学会で成果を発表した。
3: やや遅れている
頭蓋内電極設置を要する難治性てんかん患者で、術前に発作時脳磁図データが十分取得できる症例数が限られているから。また現在病院棟の建て替えのために、脳磁計稼働が一時休止となっているため。
今後脳磁計稼働の再開後、引き続き脳磁図発作記録、慢性頭蓋内脳波記録によってデータ蓄積を図る。データ取得に際しては、発作時の雑音を除去し、正確な発作時脳磁図データを得る工夫を行う。
症例数が不十分なため、データ解析が終了していないため。学会参加費用と論文校正代。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Neurol Med Chir
巻: 53 ページ: 676-687
10.2176/nmc.oa2012-0420