研究課題
平成23年度は、IL2rg KOラットを作成し、その表現型と発現解析の結果から免疫不全であることが確認された。このIL2rg KOラットは「X-SCIDマウス」とほぼ同様の表現型を示していることが確認された。平成24年度は、IL2rg KOラットが免疫不全を呈していたことから、引き続き 異種動物の細胞、腫瘍細胞などのin vivo cultureを行った。皮下移植においてマウスおよびヒト由来腫瘍細胞の生着を認めた。平成25年度は、X-SCIDラットを用いた遺伝子治療モデルの確立のためのIL2rg遺伝子のcDNA作成およびウイルスベクターの構築を行った。また、同種であるラット造血幹・前駆細胞移植の条件を検討した。さらに、平成23年度より引き続き異種動物細胞移植のうち造血幹・前駆細胞の移植を行った。IL2rg KOラットは、放射線照射において野生型と同様の感受性を示した。異種であるマウスの骨髄造血幹・前駆細胞移植を行った結果、野生型ラットでは放射線照射の有無にかかわらず生着しなかったが、IL2rg KOラットにおいては放射線照射をしない群では全く生着しなかったが、放射線照射をした群ではマウス造血幹細胞が生着し4か月以上にわたり末梢血中の90%以上がマウス由来の血液細胞であることを確認した。このことから、IL2rg KOラットは放射線照射を行わないと移植した骨髄細胞が生着しないことが確認された。一方、ヒト臍帯血由来造血幹・前駆細胞移植では同様の放射線照射量では生着しなかった。また、新生仔ラットにおいて薬剤処理を行ったが同様にヒト臍帯血は生着しなかった。
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