研究課題
β1,4-ガラクトース転移酵素-2(β4GalT-2)遺伝子単純ノックアウトマウスの行動学的解析からβ4GalT-2が合成するガラクトース糖鎖が中枢神経系で機能を持つことが明らかとなった。そこで、β4GalT-2が主要な働きを持つ脳領域や、細胞の特定を行い、個体から機能糖鎖分子に至る手がかりを得る為に新しいノックインマウスの作成を行うことにした。本年度はβ4GalT-2の発現をモニターする為のβ4GalT-2遺伝子座へのLacZ遺伝子ノックインターゲティングベクターの構築及び機能回復型のβ4GalT-2コンディショナルノックアウトターゲティングベクターの構築を完了した。本研究ではターゲッティングベクター構築に当たり新しい試みをいくつか導入した結果、多くの困難な問題が明らかとなり、それらをひとつずつ解決するのに多くの時間を費やされ当初の予定どおりに研究が進まなかった。しかし、今後の別のプロジェクトにも応用可能な知見が多く得られ、それらの研究に資することが出来る。本研究はこれで終了するが、引き続き別のプロジェクトとして研究を継続し、機能回復型のノックアウトの方法論が糖鎖の変化と表現型の変化を細胞・組織・個体レベルでそれぞれ解析できることを明らかにし、最終目標であるβ4GalT-2 KOマウスの中枢神経系での表現型に主要な役割を果たす糖蛋白質或は糖脂質の手がかりを得たいと考えている。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
The Journal of Biological Chemistry
巻: 288(13) ページ: 9321-9333
10.1074/jbc.M112.416909.