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2011 年度 実施状況報告書

改良型TRECKマウスを用いた細胞移植系の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23500496
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

斉藤 美知子  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (40379558)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード糖尿病 / 再生移植
研究概要

改良型毒素受容体であるTR6を全身で発現するトランスジェニックマウスを作製した (CAG-TR6)。GFP融合ヒトHB-EGF 遺伝子(毒素受容体)を導入したマウス細胞のDT感受性は、野生型ヒトHB-EGFを導入したマウス細胞と変わらないことは確認済みである。そのため、トランスジーンの発現解析が容易になるように、TR6とGFP遺伝子を融合させたトランスジーンを用いた。改良型毒素受容体が有用であるかどうかの比較検討のため、野生型ヒトHB-EGFとTR6(改良型毒素受容体)両方を用いたトランスジェニックマウスの作製を行った。野生型ヒトHB-EGFでは全身発現させると生まれないという報告があるため、それぞれ100匹程度ずつのマウスが誕生するまで、C57BL/6J × C57BL/6Jの受精卵へトランスジーンのインジェクションを行う予定である。 さらに、ルシフェラーゼ cDNAをチキンβアクチンプロモーターの下流に接続し、トランスジェニックマウスを作製した (CAG-Luc)。ルシフェラーゼ遺伝子をもったマウスからドナー細胞を採取し、このドナー細胞が移植後レシピエントマウスの体内でルシフェラーゼを産生すれば、IVIS System (Xenogen社)という化学発光を捉える機器で非侵襲的にモニターすることができる。作製したCAG-TR6と、CAG-Lucと掛け合わせれば、その子どもたちはすべての細胞でTR6とルシフェラーゼ遺伝子を持つことになり、ドナー細胞として利用するのに非常に有用である。様々な組織からの細胞採取ができるように、すべての組織でルシフェラーゼが発現するマウスを得ることを目的とし、得られた複数のトランスジェニックマウスラインにおいて、各組織の発現解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

改良型TRECK糖尿病モデルマウスに関しては、毒素投与により糖尿病を発症するラインを維持している。しかし発現量の少なさのためか、改良型にしたことによる毒素感受性の低下のためか、従来の野生型ヒトHB-EGFを用いた糖尿病モデルマウスよりも、毒素に対する感度が悪いことがわかった。そのため、ホモ個体を作製して解析に用いることとし、掛け合わせを行っている。また、さらにもう一度インジェクションから行うことも検討している。トランスジェニックマウスの作製に関しては、予定通りCAG-TR6とCAG-Lucの作製を行った。現在、CAG-Lucに関してはラインの選定中である。ターゲティングマウスは、ベクターが導入されたES細胞がとれなかったため、引き続きES細胞へのターゲティングベクターの導入からやり直しているところである。

今後の研究の推進方策

トランスジェニックマウス、ターゲティングマウスに関しては、引き続き作製、解析を行う。毒素受容体部分を蛍光蛋白質と融合させたTR6に置き換えたターゲティングベクターを用いてES細胞への導入を行っているが、なかなか導入細胞が得られないため、ベクターの再構築も視野に入れる。蛍光タンパク質の種類を替えることも計画している。膵臓β細胞に異種のタンパク質を発現させると、形態や耐糖能に異常が出るという報告もあるので、発現量の異なる多くのラインを作製し、その中から有用なラインを選定する、という方向で解析を進めていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

未使用額が生じた要因は、研究の進捗状況に合わせ、予算執行計画を変更したことに伴うものである。次年度も引き続き、トランスジェニックマウス、ターゲティングマウスを作製するためにその飼育費用、作製費用が必要である。また、ランゲルハンス島の数や形態の解析も行う必要があるため、組織画像を取り込んで解析するソフトの購入を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Mechanism of diabetes development due to dysfunction of unfolded protein response2011

    • 著者名/発表者名
      斉藤美知子、土屋雄一、岩脇隆夫、森和俊、河野憲二
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2011.12.15
  • [学会発表] Roles of the unfolded protein response pathways in pancreatic β cells2011

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Tsuchiya, Michiko Saito, Jun-ichi Miyazaki, Takao Iwawaki, Kenji Kohno
    • 学会等名
      Cold Spring Harbor Conferences Asia, Protein Homeostasis in Health and Disease 2011
    • 発表場所
      Suzhou Industrial Park 215123 China
    • 年月日
      2011-09-27

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公開日: 2013-07-10  

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