研究課題
昨年度までに、改良型毒素受容体Toxin Receptor5, 6(TR5, TR6)を作製し、それらがマウス個体内で本来の毒素受容体で起こっていた障害が改善されているのかどうかを検討するため、野生型ヒトHB-EGF(TR1)および作製したTR5,TR6が全身で発現するトランスジェニックマウスを作製した(CAG-TR1,CAG-TR5,CAG-TR6)。これらのトランスジェニックマウスはそれぞれが100匹の産子を得るまでインジェクションを行い、産子の中にどれくらいの割合で遺伝子が導入されているか、また遺伝子が導入されたラインではどれくらいの割合で遺伝子が発現しているかを調べたところ、遺伝子が導入された割合は、TR1で8.7%、TR5で20%、TR6で18%であった。また遺伝子が導入されたマウスの中で、実際に毒素受容体であるHB-EGFが発現している割合は、TR1、TR5、TR6の順に22.2%、73.6%、85%であった。移植のドナー細胞に用いるモニター系の確立として、全身でルシフェラーゼ遺伝子を発現するマウス(CAG-Luc)とインスリン発現細胞になると蛍光を発するIns-Venus の作製をし、目的にあったラインを選定、ホモマウスの作製を行った。しかし、Ins-Venus マウスは、ホモマウスにしても、Venus蛍光を発していないインスリン産生細胞が観察されるため、Jackson研究所からインスリン産生細胞でGFPとルシフェラーゼタンパク質を発現させるマウスを購入して本学施設内に導入、発現解析を行った。このIns2-Luc/GFP/TKマウスも、蛍光を発していないインスリン産生細胞が観察された。一方、再生移植のドナー細胞候補として、膵β細胞以外の細胞を取り出し体外で遺伝子導入を行ってインスリン陽性細胞を作製する試みとして、非侵襲性に得ることが可能である自己細胞から脱分化を経ず、インスリン細胞様の細胞へ転換させるダイレクトリプログラミングに取り組んだ。
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Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 436 ページ: 400-405
10.1016/j.bbrc.2013.05.114
巻: 440 ページ: 245-250
10.1016/j.bbrc.2013.09.063