• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

新規シスチン蓄積症モデルラットの樹立とHPLC法による高感度診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23500508
研究機関独立行政法人国立国際医療研究センター

研究代表者

岡村 匡史  独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (00333790)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードシスチン蓄積症 / (2) モデルラット / (3) HPLC
研究概要

本研究では小児慢性特定疾患であるシスチン蓄積症の新たなモデルラットを開発し、高速液体クロマトグラフィーを用いた、簡便で迅速な高感度診断法を開発することを目的とする。1. CTNS変異導入コンジェニックラットの作製 149個のマイクロサテライトマーカーを用いて、LEA/Senラットの第10染色体に存在するCTNS遺伝子変異をF344系統に導入したコンジェニックラットを作製する。平成23年度はN6世代のbest male(D/R比:0.7%)の作製が完了した。引き続き戻し交配を進め平成24年度にはコンジェニックが終了する予定である。2. HPLC分析によるシスチンの高感度分析およびラット組織におけるシスチン蓄積量の定量化 NBD-Fによって誘導体化したシスチンをODSカラムを用いて分析したところ、シスチンピークがテーリングし定量性を欠いた。そこで一体型多孔性シリカを基材としてヌクレオナヴィカラム(資生堂)と用いて分析したところ、テーリングも認められず高感度にシスチンが定量可能となった。最適な分離条件はアセトニトリル22.5%、0.05%トリフルオロ酢酸含有水溶液を移動相とし、カラム温度40度、流速100μl/minであった。検討したHPLC条件を基に52週齢のLEA/Senラットの各組織におけるシスチンを定量したところ、脾臓での蓄積が最も多くで次いで心臓、腎臓であった。経時的に採取できる血液や尿におけるシスチン蓄積量を測定したが、顕著な差は見られなかった。病理組織学的な解析の結果、腎尿細管上皮細胞が剥離脱落し、尿細管基底膜の肥厚が広範囲に観察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CTNS変異導入コンジェニックラットの作製は、N5世代のbest maleの作出を計画したが、平成23年度にN6世代まで完了しており計画よりも一世代早い。HPLC分析についてはシスチン分析に最適な測定条件検討が終了し、その条件を基にLEA/Senラット組織におけるシスチン蓄積量を測定しており、ほぼ計画通りに進展している。

今後の研究の推進方策

今年度に引き続きCTNS変異導入コンジェニックラットの作製を行い、新規シスチン蓄積症モデルラットを樹立する。樹立したモデルラットの各組織における病理学的変化を経時的に観察すると共に、今年度の結果を参考に各組織におけるシスチン蓄積量を定量化し、シスチン蓄積症モデルとしての評価を行う。

次年度の研究費の使用計画

昨年度からの繰り越しは約20万円である。これはコンジェニックラット作製において、予定より早くbest maleが作出できたことによりラットの飼育数が少なくなり、飼育経費が軽減したことが理由である。動物の飼育数は目的遺伝子近辺の組み替え率に依存する為、繰越金はそのまま実験動物飼育経費に使用する。本年度は、学会参加および研究打ち合わせのための、国内旅費を15万円計上し、その他は実験動物およびHPLCを稼動させるための消耗品を購入するための、物品費として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Simultaneous two-dimensional HPLC determination of free d-serine and d-alanine in the brain and periphery of mutant rats lacking d-amino-acid oxidase.2011

    • 著者名/発表者名
      Miyoshi, Y., Hamase, K., Okamura, T., Konno, R., Kasai, N., Tojo, Y. and Zaitsu, K.
    • 雑誌名

      J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci.

      巻: 879 ページ: 3184-3189

    • DOI

      10.1016/j.jchromb.2010.08.024

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi