シルクフィブロイン(SF)は高い強度や生体適合性を有することから人工血管等の材料として期待されているが、伸縮性や弾性などに乏しい。そこで本研究では、ポリウレタン(PU)をSFと複合化させた新規素材の開発を目標とし、複合化した各分子の物性および構造・運動性について検討した。 本研究では、SFと混合しうる2種のPUを発見し、強度、伸縮性ともに向上する結果を得た。さらに、上記複合材料について、固体NMR法を用いた詳細な構造・相溶性解析を行った結果、すべての複合材料について、PU濃度依存的な相溶状態を支持する結果が得られた。本成果は、人工血管のみならず、様々な医用材料への応用に展開が可能である。
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