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2011 年度 実施状況報告書

近紫外線を用いた殺菌効果の波長依存性と機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23500519
研究機関徳島大学

研究代表者

芥川 正武  徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (90294727)

研究分担者 高橋 章  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90304047)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード近紫外線 / 殺菌 / 遺伝子解析 / 腸炎ビブリオ
研究概要

本研究の目的は近紫外線殺菌の機序について基礎的な知見を得ることである.特に近紫外線領域の様々な波長について機序を明らかにする為に,初年度の平成23年度は,1. 対象菌に目的の波長・放射照度の近紫外光を照射することができる装置の製作と,2. 照射方法および遺伝子発現解析のための実験方法の検討を行った.1. 照射装置の製作:光源にはキセノンランプを用い,殺菌対象である菌を入れるプラスチックシャーレに指定の波長,放射照度の近紫外線を照射する装置を製作し,照射部位における放射照度分布の測定し,特性を確認した.照射紫外線はシャーレ内の菌液に上面から照射し,透過後菌液に再入射しないよう反射を某汁構造とした.紫外線スペクトルはキセノンランプユニットに取り付ける半値幅約10μmのフィルタによって,選択するものとした.液面での放射照度はランプ出力でコントロール可能とし,極力均一になるよう照射部と液面は適度に離した.2. 実験方法の検討:紫外線照射対象の菌として腸炎ビブリオとし,DNAチップによる遺伝子解析の為のプロトコルについて検討した.紫外線の波長は310nm程度から400nm付近を用いる予定であるが,この波長域の中で最も殺菌効果が高いと思われる310nmで殺菌実験を行い,必要なRNA量を抽出する為の紫外線強度,照射時間を求めた.菌液は96ウェルプレートに入れた場合と,3cmシャーレに入れた場合とで,RNA量を測定した.光源出力60%,照射時間30分程度,生存率1/10の条件で,十分なRNA量を得るためには3cmシャーレを用いる必要があることを確認した.この予備実験は紫外線照射条件を決定する為の基礎となるものであり,次年度以降の各種波長に対する紫外線殺菌実験を行う際の基本条件となる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画では初年度に実験装置および実験方法を確立することとしていた.初年度終了時において,装置の製作,実験方法の構築がほぼ完了しており,おおむね順調に進展していると評価できる.

今後の研究の推進方策

2年目では初年度に製作した照射装置と実験方法を用い,腸炎ビブリオに対する各種波長の紫外線を用いた照射・殺菌実験を行う.各照射波長でRNAを抽出し波長ごとにDNAチップを用いた遺伝子発現量を測定し,クラスタ解析を行う.紫外線の照射により細胞内外に活性酸素が生じ,遺伝子等を傷つけて菌を不活性化することが知られているが,これまでの実験では近紫外線照射時には本来紫外線照射時にはたらく修復効果が抑えられる可能性があることが示唆されている.クラスタ解析によりこれらの仮説を確かめるとともに,波長による殺菌機序の変化の有無を確認する.また波長による機序の変化が明らかになった場合には,その機序が働く波長域を明らかにする為にさらに多くの波長について照射実験を行い,近紫外領域全体の機序の変化について確認する.一方,近紫外域での殺菌機序の概略が明らかになった後,それらの効果が,可視光域等にも広がっていないかを確認する実験を行う.

次年度の研究費の使用計画

2年目以降は主として遺伝子発現解析に関わるキットおよび実験の消耗品の購入に研究費を充てる,また成果報告のための旅費にも使用する.収支状況報告には約70万円が次年度(H24)使用額として計上されているが,H24年度に使用する遺伝子解析キットを既に購入しており,年度始め早々の実験に使用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] UVA-LEDを用いたパイプ型殺菌装置におけるレンズの効果2011

    • 著者名/発表者名
      真鍋 佑輔
    • 学会等名
      平成23年度 電気関係学会四国支部連合大会
    • 発表場所
      阿南工業高等専門学校(徳島県)
    • 年月日
      2011年9月23日

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公開日: 2013-07-10  

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