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2012 年度 実施状況報告書

視覚連合野における皮質神経細胞活動相関性を強調した光学的計測実験法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23500521
研究機関鹿児島大学

研究代表者

王 鋼  鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (40274831)

研究分担者 岡村 純也  鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (30447594)
キーワード光学的計測
研究概要

今年度において、計測用のチャンバーを更なる改良を行いながら、動物実験を中心に研究を進めた。
チャンバーの改良においては、計測期間を考慮してより生体適合のよい材料を選択した。従来のステンレス製のチャンバーをチタン製に変えることによって、周辺組織との適合がよくなり、且つ材料的に軽量であるため、動物の負担も軽くなった。
改良した計測システムを用いて、大脳皮質視覚野からの記録を行い、視覚情報の処理が周辺視野からどのような影響を受けているのかを調べた。視覚刺激は傾き22.5度間隔、全8方位の矩形波格子刺激(全面刺激)と、全面刺激の中心視野部分のみを0度、45度、90度、135度で固定した刺激(中心-周辺刺激)を用いた。中心視野に対応する皮質領域において、刺激中心部分の方位を固定し、周辺部分の方位を変えることによって得られた皮質反応画像の差を観察すると、明白な違いが認められた。中心視野に呈示した刺激は同じなので、周辺視野からの影響がなければ、算出した差分画像は均一な灰色になるはずである。よって、算出した差分画像に確認された明暗差が刺激の周辺部分の方位によって中心に対する影響が異なることを示唆するものである。刺激の中心部分の方位が0度、45度、90度、135度と呈示した全ての角度刺激について、中心視野に対応する皮質領域に、周辺視野から何らかの影響があることを確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予算成立の遅れにより、本研究のスタート当初は少し混乱があったが、今現在はその遅れもほぼ取り戻して、おおむね計画通りに順調に進展している。

今後の研究の推進方策

計画通りに、以下の二点を中心に研究を進める予定である。一つ目は、前年度研究の引き続き、視覚情報の処理が周辺視野からどのような影響を明確にする。異なる方位によって観察された明暗差の統計的な意味及びその方位依存性を検討している。二つ目は、物体刺激を用いて、動物実験を中心に進める予定である。また、最終年度になるので、研究成果の公表も積極的に行っていきたい。

次年度の研究費の使用計画

B-Aは58円となっている。次年度の研究費使用計画に影響がないと考える。計画書通りに、研究費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 長期的に視覚経験した三次元物体の観察角度像に対する側頭葉下部皮質神経細胞の応答2013

    • 著者名/発表者名
      山口玲欧奈、本田寿成、池尻祐大、岡村純也、王鋼
    • 雑誌名

      生体医工学

      巻: 51(1) ページ: 9-16

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Surround modulation in cortical orientation map revealed by optical imaging and its dependency on receptive field eccentricity2012

    • 著者名/発表者名
      Kanami Uchimura, Jun-ya Okamura, Gang Wang.
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience

      巻: 36 ページ: 3344-3355

    • DOI

      10.1111/j.1460-9568.2012.08248.x

    • 査読あり
  • [学会発表] 観察角度に依らない物体認識の形成および側頭連合野の関わり2012

    • 著者名/発表者名
      山口玲欧奈、本田寿成、池尻祐大、岡村純也、王鋼
    • 学会等名
      生体医工学シンポジウム
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20120907-20120908
  • [学会発表] 視覚刺激の中心に対応する皮質領域における刺激周辺からの修飾2012

    • 著者名/発表者名
      内村華奈美、岡村純也、地頭薗美紀、秦良佑、王鋼
    • 学会等名
      第51回日本生体医工学会大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20120510-20120512
  • [学会発表] 顔弁別学習に伴う脳波信号の時間周波数的変動2012

    • 著者名/発表者名
      池田直人, 岡村純也, 王鋼
    • 学会等名
      平成24年度日本生体医工学会九州支部学術講演会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      2012-12-15
  • [学会発表] 三次元物体の観察角度像に対する側頭葉下部皮質神経細胞の応答2012

    • 著者名/発表者名
      本田寿成, 山口玲欧奈, 徳田直樹, 岡村純也, 王鋼
    • 学会等名
      平成24年度日本生体医工学会九州支部学術講演会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      2012-12-15

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公開日: 2014-07-24  

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