研究概要 |
【本研究の目的、研究の進め方】本研究は操作を伴う3次元映像特有の生体影響について、視聴者の動作や操作に着目し、映像酔いとの関連を、生体信号により客観評価し、安全性を高めることを目指す。本研究では大局的映像動作(Global Motion Vector:GMV)に3次元要素の拡張および操作を加えた評価法(実効GMV)を提案し、生体信号の客観指標の妥当性を検証した。 【成果】①客観的生体評価指標の確立:心電図のRR間隔変動に呼吸信号を加えた評価モデルの構築し、生体信号の主成分分析を用いた評価指標を提案、操作影響を受けにくい生体指標を確立した。(日本生体医工学会誌2013年1月掲載) ②3次元映像の歪に関わる生体影響評価(実行GMV):画面歪と視線位置との関係を検討し、左右の画像歪が大きいと生体信号の指標が変化することを実験的に明らかにした。(日本生体医工学会総会:2012 年5月発表)③インタラクティブ操作時の重心移動影響の検討(実効GMV): GMVと重心移動の相関の強さと、映像酔いの主観評価や生体指標との関係を実験的に求めた結果、GMVと重心移動の相互相関関数の最大値がSSQと強い負の相関があることが示され、拡張GMVの要素として有効であるとの結果が得られたその影響を定式化した。(国際ワークショップ:VIMS2013, 2013年9月に発表)。④総合評価:3D車載カメラの映像をもとに、GMVおよび映像視聴時の視線および生体信号との関連を実験的に求めた。その結果視線における視差変動は比較的小さく、2Dの場合と大きな差は見られなかった。 【結論】3D映像の生体影響の指標を得るため、拡張GMVおよび実効GMVについて検討した結果、3D映像において、3D映像の歪影響を要素、重心移動を考慮することで定式化の有効性を示した。
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