研究課題/領域番号 |
23500536
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
園田 信成 産業医科大学, 医学部, 講師 (90299610)
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研究分担者 |
尾辻 豊 産業医科大学, 医学部, 教授 (30264427)
岡崎 昌博 産業医科大学, 医学部, 准教授 (40233316)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 透析 / 薬剤溶出性ステント / 血管内超音波法 / 光干渉断層法 / 血管炎症マーカー |
研究概要 |
冠動脈疾患を合併した透析患者において、経皮的冠動脈ステント留置後の慢性期冠血管反応(ステント周囲プラークや新生内膜組織の変化)とステント再狭窄との関連について、第一世代薬剤溶出性ステント(DES)と第二世代DESで比較し、更にそれらのイメージングデータの変化と血管炎症マーカーと関連性を検討する目的で研究を計画し、現在まで対象である透析患者のエントリーを行っている。しかしながら、本研究において使用予定であった第一世代DESのCypherステントがH23年6月に販売中止が発表されたため、使用するDESを変更する必要性が生じた。H23年5月から本邦にて使用可能となった第三世代DESであるNoboriステントは生体吸収性ポリマーを使用しており、第二世代DESであるXience Vステントよりもステント周囲組織の炎症や再狭窄を抑制することが期待されることから、本研究はXience Vステント(第二世代DES)とNoboriステント(第三世代DES)との比較を行うこととしてプロトコールを一部変更し、8月19日に当院倫理委員会の承認を得た。9月以降DES留置を予定している透析患者を対象に症例のエントリーを進めているが、現時点で対象透析症例はまだ少なく2例のみである。また外科手術前や抗血小板剤長期服用困難を理由にベアメタルステントが留置されたコントロール群は5例となっている。当施設ではこれまで非透析症例において、冠動脈イメージングを用いたステント周囲プラークや新生内膜組織変化の検討は充分に行っており、今後透析症例でのデータが集まればそれらの解析は容易であると考えられる。本研究の結果は、透析症例のステント再狭窄機序の解明や血管炎症マーカーの再狭窄予知因子としての可能性につながるためその臨床的意義は大きい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
プロトコールの変更に従い、倫理委員会の申請等手続きが遅れ、エントリー開始に遅れを生じた。また予想していたよりも透析患者における新規冠動脈疾患の入院が少なかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後積極的に透析患者に対して非侵襲的に冠動脈疾患精査を行い、対象症例のエントリーに結びつける方針である。
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次年度の研究費の使用計画 |
冠動脈イメージングに用いる血管内超音波カテーテルや光干渉断層カテーテル、血管炎症マーカーのキット等の購入に使用する。
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