研究課題/領域番号 |
23500536
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
園田 信成 産業医科大学, 医学部, 講師 (90299610)
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研究分担者 |
尾辻 豊 産業医科大学, 医学部, 教授 (30264427)
岡崎 昌博 産業医科大学, 医学部, 准教授 (40233316)
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キーワード | 透析 / 薬剤溶出性ステント / 血管内超音波法 / 光干渉断層法 / 血管炎症マーカー |
研究概要 |
冠動脈疾患を合併した血液透析患者において、経皮的冠動脈ステント留置後の慢性期冠動脈の血管反応(ステント周囲プラークや新生内膜組織の変化)とステント再狭窄との関連について、第二世代薬剤溶出ステントであるXience Vステントと第三世代薬剤溶出ステントであるNoboriステントで比較する研究である。ステント植え込み時と慢性期(8-10ヶ月後)のステント部位の冠動脈イメージングとして、血管内超音波法と光干渉断層法を用いて形態や組織変化を観察し、各種血管炎症マーカーとの関連性を検討を進めている。 透析症例は、新規に透析導入となる患者に対して冠動脈疾患のスクリーニングを行い、精査が必要な場合に冠動脈造影検査を施行し、有意狭窄病変があり薬剤溶出性ステント留置が可能である場合にエントリーとなる。すでに導入された患者においても、冠動脈疾患の合併が疑われる患者において積極的に負荷心筋シンチや冠動脈CT検査を行い、治療が必要な症例をエントリーする方針としている。 これまでに、透析症例で研究にエントリーとなったのが計10例であり、Xience VステントとNoboriステントが5例ずつである。まだ症例数が少ないためデータ集積中であるが、今後さらに症例を増やしていく必要がある。 また非透析症例における薬剤溶出性ステント留置後のステント周囲プラークと血液マーカーとの関連については研究が進んでおり、CKDと非CKD症例における非責任病変のプラーク性状変化についても同時に解析を進めており、透析症例のデータを含めて検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
透析患者における新規冠動脈疾患について積極的に評価して治療する方針で研究を進めているが、病変性状が悪く冠動脈バイパス手術を選択する場合や、エントリー予定としているが治療の際に血管内超音波法や光干渉断層法が通過せずエントリーを断念する場合もあり、症例のエントリー数が思うように増加しなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後も積極的に透析患者に対して非侵襲的に冠動脈疾患精査を行い、対象症例のエントリーに結びつける方針である。 血管内超音波法と光干渉断層法の両データを解析する方針であるが、症例によってはデータ採取困難な場合もあるため、どちらかのデータが採取できればエントリーとして症例数を増やして検討していく方針とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
冠動脈イメージングに用いる血管内超音波カテーテルや血管炎症マーカーのキット購入、学会旅費として使用する。 また繰越金が発生するような場合には、物品費としてガイディングカテーテルやガイドワイヤー、ハードディスク、コピー用紙等の購入に充てて発生しないよう努力する。
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