研究課題/領域番号 |
23500536
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
園田 信成 産業医科大学, 医学部, 講師 (90299610)
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研究分担者 |
尾辻 豊 産業医科大学, 医学部, 教授 (30264427)
岡崎 昌博 産業医科大学, 医学部, 准教授 (40233316)
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キーワード | 血液透析 / 冠動脈治療 / イメージング / 炎症マーカー / 再狭窄 |
研究概要 |
冠動脈疾患で血管内超音波(IVUS)ガイド下に経皮的冠動脈ステント留置術を行った連続423症例中、血液透析(HD)症例は25例であり、10例が除外され最終的に計15例が解析対象となった。第1世代薬剤溶出性ステント(DES-1)が7例、第2世代薬剤溶出性ステント(DES-2) が8例に留置され、慢性期ステント内再狭窄がDES-1で1例,DES-2で1例に認められた(14% vs. 13%, P=NS)。IVUSは10例で評価可能で、光干渉断層法(OCT)は4例で評価可能であった。 定量冠動脈造影の結果、PCI前の狭窄度はDES-1、DES-2で各々68%、75%で、治療後に5%、2%となり、フォローアップ時は29%、14%であった(いずれもP=NS)。CRP、PTX-3の値はDES-1、DES-2で術前有意差はなく、フォローアップ時にも有意な変化は認めなかった。IVUS解析の結果、フォローアップ時の新生内膜増殖は、DES-1、DES-2で各々、2.7±1.9mm2、2.0±1.5mm2で同等であり、両群ともに組織性状は線維性成分が主体であった(DES-1:54%、DES-2:55%,P=NS)。ステント周囲プラークはDES-1で9%増加し、DES-2で2%減少しており、DES-1で増加した組織性状は脂質成分が主体であった。OCTによる新生内膜組織性状は両群ともhomogeneous high-signal bandが主体であった。 本研究の結果として、透析患者に対する治療成績はDES-1とDES-2で同等であったが、ステント留置後慢性期の血管反応はDES-1に比べて、DES-2で良好である可能性が示唆された。炎症マーカー(CRP、PTX-3)については対象が少なく、再狭窄症例も少なかったため今回関連については十分検討出来なかった。今後症例を増やして更に検討を続けて行く必要がある。
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