研究課題/領域番号 |
23500538
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
張 曄 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (70436179)
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研究分担者 |
井奥 洪二 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (60212726)
工藤 忠明 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50431606)
清水 良央 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30302152)
金高 弘恭 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50292222)
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キーワード | バイオマテリアル / 再生医工学材料 |
研究概要 |
生体吸収性材料として新たに開発された水熱ハイドロキシアパタイト(Hydrothermally synthesized HA; HHA)は、従来の焼結ハイドロキシアパタイト(stoichiometric hydroxyapatite; SHA)と比較し、破骨細胞の骨吸収活性を高めることが知られているが、その作用機構はほとんど解明されていない。そこで本研究では、異なる性質をもつHHAおよび従来型SHAを利用し、分子生物学的手法により、破骨細胞の骨吸収活性をより亢進させるメカニズムを明らかにすることで、吸収制御が可能な新しい医療用セラミック開発のための基礎技術を獲得することを目的とし、当該年度に、下記の通り研究を行った。 前年度に引き続き、吸収性HHAおよびSHAディスクを利用し、HHA上培養による破骨細胞への影響を網羅的に解析する実験を行った。具体的には、細胞増殖・細胞分化・骨吸収能の評価、および破骨細胞分化に関連する遺伝子発現の網羅的解析を行ったところ、生体吸収性を持つHHAで破骨細胞活性の上昇が確認された。さらに、SHA上のRAW細胞培養を比較対照としながら、HHA材料上培養に特徴的なタンパク質分子を電気泳動法により網羅的に抽出し、質量分析によりそのタンパク質分子の解析を行った。次年度より、得られた結果をHHA依存性に破骨細胞分化誘導の調節を担うシグナル伝達経路の特定に活用していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた研究実施計画については、ほぼ予定通り完了しており、年度内の到達目標は、ほぼ達成していると考えられるため。 今後は、得られたデータをまとめて、学会発表や論文投稿に繋げていきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に得られた結果を基にして、継続して下記の研究を行う予定である。 (1) 阻害剤によるシグナル伝達経路を特定する。平成24年度に行った遺伝子発現量の網羅的解析、および活性化されたタンパク質の網羅的発現解析により同定された結果をもとに、HHAディスク上での破骨細胞の培養により活性化され、破骨細胞内RANKLシグナルを促進し、骨吸収を促進すると考えられるシグナル伝達経路を特定する。特にHHAとSHAでは、Ca/P比やアスペクト比が異なることに着目し、① 溶出イオン由来シグナル (例:Caイオン流入等)、② 接着斑由来シグナル (例:RhoやpaxillinによるLIMKシグナル等)のいずれかに差があると仮定し、①および②に由来するシグナルの抽出に注力する。 (2) 特定されたシグナル伝達経路と溶出イオンや細胞接着との関係の検討し、平成24年度の実験により特定されたシグナル経路について、イオン溶出由来シグナルまたは接着斑由来シグナル(もしくはその他のシグナル経路)によるRANKLシグナル経路の調節メカニズムを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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