研究課題/領域番号 |
23500543
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
立花 亮 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80305614)
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研究分担者 |
田辺 利住 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20315972)
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キーワード | キチン / chitin binding domain / FGF2 |
研究概要 |
キトサンを無水酢酸によってアセチル化することによって得られたキチンゲルに対して、大腸菌で発現させたchitin binding domain-FGF2を結合させることが出来た。キチンゲルはアミノ基が多数残存していることがわかっており、部分的にキチン化した部分があることが想像される。その部分が不溶化することによって、ゲルの形態が維持されていると考えられる。chitin binding domain-FGF2はキチンゲルのリゾチームによる分解に伴って、非常に緩やかに徐放されることが抗体染色によってあきらかとなった。それは少なくとも10日間に及び、十分な徐放期間であった。 上記実験は直径5-7ミリ高さ2-3ミリのタブレット状キチンゲルを用いていたが、溶液中に分散したビーズ状のキチンゲルの作製も行った。キトサン溶液に無水酢酸を混合するが、このときに比重を適当な濃度/量の食塩水によって合わせ、激しく撹拌することによって、水溶液に分散した非常に細かいキチンビーズを作製することができた。直径1-10マイクロメートルほどであり、今後条件検討によってさらに細かいものができると思われる。これらビーズは先のタブレット状のゲルと同様にTNBSによって着色することからアミノ基を残存させ、かつchitin binding domain-FGF2の結合も見られた。さらに、水溶液に長期保存しても沈殿することなく懸濁状態を維持することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
cellulose binding domain-BMP7などの昆虫細胞(恒常発現株)による発現が培養中に低下した。様々な方法によって、回復を図ったが成功せず、結局、再度恒常発現株を取得するべく、現在行っている。さらに別の方法での発現を再度構築中であり、この件に関して、進捗が遅れている。それ以外はおおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
ビーズ状のキチンゲルの作製において、100ナノメートル程度の大きさのものを作製する。これまでも得られていたが、均一でなかったので、それも目標とする。ビーズ状のキチンゲル中に微小なセルロースを含ませて、作製することを検討する。これらは培養液に浮遊するように加えることができ、固体としてばかりでなく、溶液(懸濁液)として利用できる。 ビーズ状のキチンゲルにFGF2およびBMP7/2を結合させる。これらからのリゾチームおよびpHの低下によってFGF2およびBMP2/7の徐放を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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