研究課題
アレーアンテナと空間信号処理によってマイクロ波(電磁マイクロ波)を用いてヒト循環器の運動の非接触,非侵襲な計測を行い,ヒト循環器系疾患の診断に役立つ,生体組織の運動や弾性率の変化をマイクロ波によって計測し診断情報の抽出を目指して,新たに“マイクロ波アレーアンテナ空間信号処理の計測実験装置”の開発を行った.研究期間の初年度では,実験装置を設計するための基礎データを得るためにフィールド実験を行い得られたデータを信号処理することでヒトの心臓拍動および呼吸に由来するそれぞれの生体信号の成分の検出が確認できた.また,これらの知見に基づいて装置の構成を最適化しながら設計を進め,実装を行って計測実験装置を完成させた.第2年度では,開発した計測実験装置を用いてアレーアンテナと空間信号処理によってマイクロ波(電磁マイクロ波)を用いてヒト循環器の運動の非接触,非侵襲な計測を行い,信号検出の演算・検出アルゴリズムの開発を行った.大学内の施設に実験フィールドを構築し,開発した実験装置で,被験者からの心臓拍動および呼吸の検出実験を行い,それぞれに由来する生体信号成分の検出に成功した.さらに,心電計を導入してECG(心電波形)との相関を調べることで,検出した心臓拍動の生体信号と高い相関を確認できた.しかしながら,検出した信号のSNRや周波数分解能にはまだ改善の余地が認められた.最終年度では実験装置およびアルゴリズムの改良に取り組んだ.胸部を中心に計測すると,心臓拍動の信号よりも呼吸活動による信号の振幅が強く観測されるため,目標である循環器の運動の計測の障害となった.そこで,呼吸活動の信号の影響を取り除くための信号処理法の開発を行った.具体的には,ECGに同期させた狭帯域フィルターにより心臓拍動に対応した周波数成分の選択を行い,その周波数信号を使って再構成により循環器の運動の時間信号の抽出に成功した.
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