研究課題/領域番号 |
23500552
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
菅 幹生 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00294281)
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キーワード | 生物・生体工学 / 医療・福祉 / 弾性計測 / 磁気共鳴画像装置(MRI) / エラストグラフィ / 生体硬さ分布 |
研究概要 |
MRI (magnetic resonance imaging) により組織弾性情報を定量的かつ非侵襲的に得られるMRエラストグラフィ (MR elastography, MRE) は,新しい画像診断法として注目されている.しかし,MRE撮像にはMRIと同期して対象内に弾性波を発生させる外部加振システムを別途用意する必要があり,その取扱いが煩雑で,撮像部位によっては適用が困難であることが普及の障壁となっている.一方,MRIは強い静磁場中で傾斜磁場コイルに流す電流を高速にスイッチングするために,騒音を発生する.本研究では,騒音とともに発生するMRI装置の固有振動を振動源として活用することで,外部加振システムが不要なMRE測定法を確立することを目的とする. 平成24年度は,昨年度に開発したシステムを発展させることにより,さらに振動を増幅することに取り組んだ.具体的には,MRIガントリの固有振動に共鳴することで振動を増幅する装置を非磁性材料を用いて開発した.また,MRIガントリに固有振動を発生させるための振動発生用傾斜磁場を追加したパルスシーケンスに対し,弾性波を捉えるための傾斜磁場を複数追加することで弾性波画像の変位を増幅するように改良を加えた. 疑似生体組織ファントムを用いた実験により,既に開発済みの外部加振装置を用いて得た弾性波画像と比較することで,ガントリ振動や振動増幅装置を利用したシステムの特質と改良の効果を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に開発したMRI装置の固有進度を活用したシステムを発展させることにより,さらに撮像対象に加わる振動を増幅することに取り組んだ.具体的には,MRIガントリの固有振動に共鳴することで振動を増幅する台をアクリル製の板を加工することで開発した.また,MRIガントリに固有振動を発生させるための振動発生用傾斜磁場を追加したパルスシーケンスに対し,弾性波を捉えるための傾斜磁場を複数追加することで弾性波画像の変位を増幅するように改良を加えた. 疑似生体組織ファントムを用いた実験により,既に開発済みの外部加振装置を用いて得た弾性波画像と比較することで,ガントリ振動や振動増幅装置を利用したシステムの特質と改良の効果を確認した. これまでの研究実績に基づき研究を進めたことで,おおむね計画どおり研究を進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度と平成24年度に得られた結果を基にして,以下の研究開発を実施する. 前年度までの研究成果と安全性を確認した後に,倫理委員会での決定事項に従ってヒトを対象とした実験を実施することで,提案システムの有効性と適用範囲を確認する. また,ヒトを撮像するにあたり呼吸同期や心電同期が必要な場合はこれらに対応できるようにパルスシーケンスを改良するとともに,ヒト撮像用に振動発生用傾斜磁場と振動検出用傾斜磁場の最適パラメータを求める.
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次年度の研究費の使用計画 |
固有振動を利用した振動増幅器の改良とファントムを作成するために,非磁性材料と薬品等を購入する.研究を進めるための研究補助に対する謝金を支出する.また,得られた研究成果を学会で発表するための旅費と学会登録費を使用する.
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