研究課題/領域番号 |
23500555
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
鶴岡 信治 三重大学, 地域イノベーション学研究科, 教授 (30126982)
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研究分担者 |
高瀬 治彦 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10283516)
川中 普晴 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30437115)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 画像処理 / 輪郭追跡 / OCT画像 |
研究概要 |
臨床の現場で計測した実際の人間の目を対象に光干渉断層(OCT)画像を対象に網膜層の階層組織内での異常部位の範囲をコンピュータを使用し自動検出する画像処理のアルゴリズムを開発し,疾患部の容積と組織の種類を推定する独創的な新しい診断支援システムを作成しており、機能は限定されているが、プロトタイプシステムを構築した。 このシステムの一つ目のモジュールは,医師が2次元OCT画像上でマウスで指示した疾患部の大きさを自動的に抽出するシステムであり、画像上で疾患部が白く映っている場合でも黒く映っている場合でも疾患部の抽出処理ができることが特色であり、まだ医師が期待する精度に達していないが、約80%の画像で動作することを確認した。今後、抽出精度と適用できる患者を拡大する方向で、研究を進める。また動作速度は当初の目標の動作速度となっており、ヒューマンインタフェースの基本方針は確認された。 2つ目のモジュールは、網膜の階層を3次元表示する場合に問題となっていた固視微動の除去システムに関する研究であり、2次元断面で仮の輪郭線を求めて、隣接する輪郭線間が滑らかになるように、移動量を自動的に推定する計算方法を独自に作成し、従来の方法と比較し、滑らかな3次元表示ができることが確認できた。 また2次元断面だけを使用して輪郭追跡するには、難しい断面が見つかったので、隣接する断面から求めた仮の輪郭線の抽出精度を向上させるために、3次元での輪郭追跡方法を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
医工連携の体制づくりが難しく、疾患部位の画像上での映り方が複雑であり、従来からある画像処理の手法では対処できなく、独自の画像処理手法を構築するのに時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に提案した2次元境界追跡モデルを3次元に拡張し,3次元の評価基準を構成し,より境界線の抽出精度を向上させるアルゴリズムを作成し,評価実験を行う。 また自動抽出した各層の境界線を基に,医師が診断しやすいように,抽出部位の3次元表示を行う。そして,疾患部位の指定した断面での面積,容積などを自動計測するシステムを作成し、過去に蓄積したOCT画像データベースを使用し、類似症例の検索を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
患者のベッドサイドで説明できる携帯タブレット端末を導入し,学生の助けを借りて、評価用システムを研究開発する。そして3次元表示の高速化を図るために,3次元OCT表示用サーバと3次元表示ソフトウェアを購入し,臨床現場でインフォームド・コンセントの評価実験を行い,問題点を明確にする。また研究成果を内外の関係学会や国際会議等で発表する。平成23年度未使用額については、旅費が実支出額が予定より少なかったが、研究の対象が予想より複雑で、手法を構築するのに、時間がかかり、研究成果を発表することができなかったが、現段階で、遅れを挽回できる見込みができたので、予定通り、研究成果を発表できるので、旅費を使用できる予定である。
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