研究課題/領域番号 |
23500556
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
森田 圭紀 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (60420460)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | MR内視鏡 / 管腔内コイル |
研究概要 |
我が国において軟性内視鏡を用いた消化管癌における内視鏡診断技術は世界のトップレベルであり、最近ではNarrow Band Imaging(NBI)システムの開発により消化管内腔より見た食道、胃癌の範囲診断に大きく寄与しつつあるが、深達度診断や腫瘍周囲の血管走行やリンパ節等の詳細な情報についてはEUSやCTを用いても十分な術前情報を得るには限界があった。本研究では、これら従来の診断modalityを超えるような新たな診断技術としてMRIと軟性内視鏡を融合させた「MR内視鏡システム」の開発を進め、それを治療支援技術として臨床応用することを目的とした。具体的には、計測量の多様性、空間領域の任意選択性、軟部組織の高コントラストや無被曝性などといったMRIの優れた特徴を消化管診断に応用するために、小型の管腔内RF(Radio Frequency)コイルを作製し、ミニブタ生体の胃、直腸を用いて撮像実験を行ったところ、ミニブタの胃壁構造、胃壁内血管走行を0.156×0.156×3mmの空間分解能で、直腸壁構造を0.156×0.156×2mmの空間分解能で描出することが可能であった。また、胃用RFコイルのMR安全性評価(発熱試験)で問題は認められなかった。現在のところ、描出精度や、コイルの小型化とそのデリバリー方法には多くの課題を残すが、消化管壁の層構造のみならず、血管分布も同時に描出できたことは今後の研究に大きな意味があるものと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
管腔内RF(Radio Frequency)コイルの開発および、MR撮像については、(財)先端医療センターおよび(財)神戸国際医療交流財団の協力を得ているが、コイルの小型化及び最適形状の決定については開発・改良が遅れている。撮像対象への最適なデリバリー方法(固定)についても検討中である。また、撮像時間短縮についてもさらなる検討が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
・RFコイル共振特性のリモート調整機能の構築・RF励起時の確実なデカップリングの達成・撮像範囲拡大とSNR向上・胃腔内でのRFコイル形状と姿勢の制御・食道腔内でのRFコイルのサイズダウン・RFコイル挿入からMR撮像までの時間短縮(目標3分以内)を目的とした・RFコイルの位置、姿勢の検出・それによる撮像範囲の自動設定について研究を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記11で述べたように、コイルの開発が予定より遅れているため、研究費を有効活用するために、平成24年度の研究費と併せて使用予定である。主に施設使用費、消耗品としての動物購入費、学会参加・発表の旅費に使用予定である。
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