今後の研究の推進方策 |
H24年度は、(腹筋電気刺激による血圧の応答性(伝達関数H2(f))の同定)のための、症例・データを集めるとともに、(人工血管運動中枢の動作原理の記述・設計)に着手する。人工運動中枢は、サーボ制御の理論を応用して設計する。サーボコントローラの動作原理としては,比例・積分補償型のネガティブフィードバックを採用する。ランダムな腹筋電気刺激に対する動脈圧の応答特性(上記で求めたもの)を算出し、平均的な伝達関数H2(f)を二次の低域通過フィルターへの曲線近似法を用いて解析する。求められた平均的なH2(f)を用いて,ステップ状の血圧低下に対する血圧サーボシステムの振る舞いを比例補償係数Kp=0, 1, 2,積分補償係数Ki=0, 0.01, 0.05, 0.1, 0.2の組み合わせでシュミレーションし,血圧サーボシステムがもっとも安定的かつ迅速に血圧低下を代償する係数を決定する。また、H23年度に認められた問題点を解決するために、刺激電圧・電流を皮膚刺激による痛みの関連、および、高電圧・高電流を出力できる機器の準備を行う。 連携協力者として佐藤隆幸医師(循環制御学)、柿沼由彦医師(循環制御学)が圧受容器反射装置の動作原理の開発に、大崎康史医師(神経内科)が患者のフォローに協力し、研究協力者として、清家真人医師(いずみの病院、脳神経外科)、牛田享宏医師(愛知医科大学、学際的痛みセンター、高知大学整形外科)が患者のフォローに協力する。
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