放射圧を利用する弾性映像法のような新しい超音波診断法は従来法より強い音響エネルギーを使用するため、音響照射により発生する組織内の温度上昇に関する安全性を確認することは重要である。筆者らは、擬似血液循環システムを持つ模擬生体ファントム内の3次元精密温度分布推定プログラムについて研究した。MPIによる並列計算とGPUを用いる3D FDTD-HCE法を開発した。90mm角の含有物を有する寒天ファントムを製作した。ファントムの熱的・音響学的数値は軟部組織の値とほぼ同じである。中心部の温度上昇を観測する赤外線計測器を作った。3D数値計算と実測値はよく一致し、本法の有用性を示した。
|