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2012 年度 実施状況報告書

分子機能定量局所拡大撮像SPECT高感度化のための画像再構成アルゴリズムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23500575
研究機関独立行政法人国立循環器病研究センター

研究代表者

銭谷 勉  独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50443487)

キーワード医療 / 生体機能 / 放射線 / 画像 / アルゴリズム
研究概要

従来、SPECT撮像において、ヒトのような大きな被写体の局所領域をピンホールコリメータなどで拡大撮像した場合、データ欠損(トランケーション)が生じるため、正しい画像が得られなかったが、最近、トランケーションを許す画像再構成法が開発され、局所領域の超高解像度画像が得られるようになった。しかしながら、高解像度撮像であるため、単純なシングルピンホールコリメータのような検出器構成では感度が不十分で、S/Nの良い画像は得られない。さもなければ、長時間の撮像を必要とする。本研究では、局所高解像度SPECT撮像の高感度化を実現する画像再構成アルゴリズムの開発を目的とする。昨年度は、高感度化のため、マルチピンホールコリメータおよび複数検出器に対応した画像再構成アルゴリズムのプログラム骨格を作成した。 さらに、既存PCを用いてクラスタPC環境を構築し、分散処理によるシミュレーションの高速化の可能性を確認した。本年度は、新規PCを導入し、シミュレーション専用のクラスタPC環境を構築し、シミュレーションを可能とした。専用のクラスタPCが利用できることで、効率良くシミュレーションが実施可能となった。シミュレーションの結果、視野250mm×150mmの検出器に対してマルチピンホールコリメータを利用することで、撮像視野55mmの局所領域をこれまでの8倍の感度で撮像できることが示唆された。これは1時間以内での短時間撮像の可能性を示唆する。また、シミュレーションによって、開発した画像再構成アルゴリズムが正しく機能していることを確認することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究目的は昨年度開発した画像再構成アルゴリズムおよび構築したシミュレーション環境を利用して、高感度化のためにシステムを最適化することである。昨年度は既存PCを用いてクラスタPC環境を構築したが、本年度は昨年できなかった新規導入したPCを用いたシミュレーション専用のクラスタPC環境を構築した。その後、この環境を利用したシミュレーションによって高感度を実現するためのシステムの最適化ができた。また、開発した画像再構成アルゴリズムの検証もできた。以上、本研究はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

最終年度の次年度は、開発した画像再構成アルゴリズムに対して、物理ファントムを用いた定量評価実験や動物実験を行い、実践的な評価を行う。評価には、本研究室で開発した3次元脳ファントムを積極的に利用する。実際の脳に非常に近い構造を持っており、実際の頭部撮像を想定した評価が精度良くできる。また、多方面からの実験的評価を行い、画像再構成アルゴリズムの実用性を確認する。これには多くの実験やデータ処理が必要となるため、実験補助員を導入して、効率良く研究を進める。

次年度の研究費の使用計画

本年度、物理ファントムを購入し、ファントム実験を多少実施する予定だったが、シミュレーションでの検討にとどめ、ファントムや動物を用いた評価実験はすべて次年度にまとめて行うこととした。そのため物理ファントム購入予定額に相当する141,853円の次年度使用額が生じた。次年度、これと平成25年度交付額1,100,000円を合わせて、1,241,853円が使用可能である。次年度は主に評価実験を行うため、ファントム実験および動物実験に必要な放射性薬剤Tc-99mジェネレータ23,000円/個×15個=345,000円、物理ファントム150,000円、実験動物5,000円/匹×8匹=40,000円を購入、実験補助のため謝金13,200円/人月×2人×12カ月=316,800円を使用する。これに旅費300,000円、その他90,000円を合わせて計1,241,800円を使用予定とする。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Monte Carlo simulation of scintillation photons for the design of a high-resolution SPECT detector dedicated to human brain2012

    • 著者名/発表者名
      Hirano Y, Zeniya T, Iida H
    • 雑誌名

      Annals of Nuclear Medicne

      巻: 26 ページ: 214-221

    • DOI

      10.1007/s12149-011-0561-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 位置感応型光電子増倍管とデジタル位置演算による高解像度SPECT検出器の開発2012

    • 著者名/発表者名
      銭谷 勉
    • 学会等名
      第52回日本核医学会学術総会
    • 発表場所
      ロイトン札幌、ニトリ文化ホール(札幌市)
    • 年月日
      20121011-20121013
  • [学会発表] Tracking of transplanted stem cells in myocardial infarction model rat: validation of simultaneous dual-isotope SPECT imaging with Tc-99m and Tl-2012012

    • 著者名/発表者名
      Zeniya T
    • 学会等名
      2012 World Molecular Imaging Congress
    • 発表場所
      Convention Centre Dublin(Dublin, Ireland)
    • 年月日
      20120905-20120908
  • [学会発表] 心筋梗塞モデルラットの移植幹細胞トラッキング2012

    • 著者名/発表者名
      銭谷 勉
    • 学会等名
      日本分子イメージング学会第7回学会総会・学術集会
    • 発表場所
      アクトシティ浜松コングレスセンター
    • 年月日
      20120524-20120525

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公開日: 2014-07-24  

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