研究課題/領域番号 |
23500576
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
竹内 直行 東北大学, 大学病院, 助教 (10374498)
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キーワード | リハビリテーション / ブレイン・マシンインターフェイス / 脳卒中 / 神経科学 |
研究概要 |
頭皮上から刺激を行い大脳皮質の興奮性を人工的に変化させることによって、うつ病、脳卒中、パーキンソン病ヘの治療応用が最近報告されている。これらの手法はニューロモジュレーションと呼ばれ、主に反復経頭蓋磁気刺激、経頭蓋直流電気刺激が利用されている。リハビリテーション医学の発展により、脳卒中後の上肢機能障害に対し反復経頭蓋磁気刺激、経頭蓋直流電気刺激、強制使用、装具療法、機能的電気刺激、ロボット訓練など上肢機能改善を目的に多くのアプローチの研究が行われている。しかしながら下肢機能障害に対するアプローチはリハビリテーションによる理学療法及び装具療法が中心であり、現在下肢機能障害の改善に対する画期的な治療開発が切望されている。 本研究は脳卒中後運動麻痺による下肢機能障害を有する患者に対し、運動野の大脳皮質興奮性を変化させる反復経頭蓋磁気刺激または経頭蓋直流電気刺激を投与し、さらに脳活動に応じ麻痺側下肢の腓骨神経に機能的電気刺激を同時に行い、脳卒中後歩行障害の改善を目指す研究である。今年度は健常者を中心にニューロモジュレーションにて大脳皮質興奮性を変化させ、下肢運動イメージ中の脳波計測を行い、ブレイン・マシンインターフェイス(BMI)に利用される脳波コントロールの向上を認める方法を検討した。この結果からBMI時の脳波コントロールにおける個人間の変動に対する対応及び経頭蓋直流電気刺激の刺激効果を高め下肢機能障害への治療効果促進に結びつく可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究にてニューロモジュレーションによるBMI技術の向上を認め、次年度は歩行障害の残存した脳卒中患者に実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ニューロモジュレーションにて大脳皮質興奮性を変化させ、機能的電気刺激を併用することで運動訓練効果を増大させる。さらにBMIで得られた脳信号に応じて腓骨神経に機能的電気刺激を行い、被験者の運動を誘発することにより脳活動と末梢感覚を統合させる機能回復型BMIの研究を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記計画のため脳波電極の購入を予定している。また次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせ研究の遂行に使用する予定である。
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