研究課題/領域番号 |
23500580
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
山脇 正永 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30302855)
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研究分担者 |
檀 一平太 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20399380)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 嚥下運動 / pattern generator / 脳機能 / 嚥下障害 / 脳機能マッピング / リハビリテーション / 光トポグラフィ / 抑制性シグナル |
研究概要 |
嚥下運動時の大脳からCPGへの促進性/抑制性シグナルを解析した。より臨床的な側面から実際に治療で用いられる、食形態(液体、ゼリー、など)・味覚による嚥下運動の変化・口腔内への感覚入力(アイスマッサージ、痛覚受容体を介した刺激)・姿勢変化の条件で測定した、正常対象25例、嚥下障害患者7例の検討の結果では、テント上からCPGへの抑制シグナルの存在が疑われた。特に、従来言われていた温度刺激のみならず触覚刺激も嚥下運動に密接に関与することが示唆された。また、得られたデータから、嚥下困難に関する脳内表象パターンを抽出し、NIRSによる易嚥下性の評価尺度への応用が可能と考えられた。 さらに臨床応用への準備として、大脳磁気刺激による嚥下治療法開発の準備を行うと共に、口腔内科(歯科)・咀嚼学、ロボット工学、食品科学、リスク工学の研究者と連携体制を整えつつある。特に食品科学(texture, 食形態など)、咀嚼学(歯科)については実地応用への取り組みが始まった。また、リハビリテーションを念頭に置いたロボティクス分野では、リスク工学(プロセス管理工学)の協力により工学分野も含めた集学的なアプローチの基盤ができた。 本研究の結果から嚥下障害治療においてCPGよりも下位レベルのみのアプローチでは不十分であると考察した。本研究の結果は、国内外に先駆けて、大脳中枢とCPGに対する薬理学的・生理学的アプローチによって嚥下運動の再現をはかる全く新しい治療法の開発に資すると考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標である、1)生理的条件で脳機能計測を行う、2)実際の摂食・嚥下リハビリテーション手法の科学的基盤を解明する、の2点について予定通りに進行している。 嚥下運動時の大脳からCPGへの促進性/抑制性シグナルを解析した。より臨床的な側面から実際に治療で用いられる、食形態(液体、ゼリー、など)・味覚による嚥下運動の変化・口腔内への感覚入力(アイスマッサージ、痛覚受容体を介した刺激)・姿勢変化の条件で測定した、正常対象25例、嚥下障害患者7例の検討の結果では、テント上からCPGへの抑制シグナルの存在が疑われた。特に、従来言われていた温度刺激のみならず触覚刺激も嚥下運動に密接に関与することが示唆された。また、得られたデータから、嚥下困難に関する脳内表象パターンを抽出し、NIRSによる易嚥下性の評価尺度への応用が可能と考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
臨床応用への準備として、大脳磁気刺激による嚥下治療法開発の準備を行うと共に、口腔内科(歯科)・咀嚼学、ロボット工学、食品科学、リスク工学の研究者と連携体制を整えつつある。特に食品科学(texture, 食形態など)、咀嚼学(歯科)については実地応用への取り組みを開始する。また、リハビリテーションを念頭に置いたロボティクス分野では、リスク工学(プロセス管理工学)の協力により工学分野も含めた集学的なアプローチによる臨床応用を行う基盤を形成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品の購入を予定していたが、納期までに物品が間に合わなかったため次年度へ研究費を繰り越した。翌年度に物品は納入される予定であり、予定通り執行される。
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