研究代表者らは、平成23年度から4年間に亘り、金沢大学病院耳鼻咽喉科で行っている聴覚障害児の言語指導法(金沢方式)を幼児期に受けた児で9歳以上に達したものを対象に、ウエクスラー知能検査を実施した。方法は、30名の聴覚障害者を対象として、訓練開始年齢、平均聴力レベル、就学前時点での読書力検査、及び就学以降のウエスクラー知能検査の言語性IQ(VIQ)、動作性IQ(PIQ)の成績を調査した。VIQ値に影響を与えると考えられる訓練開始年齢、平均聴力レベル、PIQ値、読書力偏差値を独立変数として、重回帰モデルを作成した。その結果、VIQ値と読書力偏差値は高い相関を示したが、訓練開始年齢、平均聴力レベル、PIQ値についてはVIQ値に影響を与えていないことがわかった。結論として、聴覚障害児の音声言語獲得をする上で、幼児期からの文字言語理解の早期導入が有効であることがわかった
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