金沢大学病院で行っている聴覚障害児の言語指導法(金沢方式)を幼児期に受け現在9歳以上に達した者を対象に、ウエクスラー知能検査を実施した。対象は30名で聴力レベルは50-120dBである。訓練開始年齢は3歳以前に訓練を開始していた。言語性IQと読書力検査結果は高い相関を示したが、訓練開始年齢、聴力レベル、動作性IQは言語性IQに影響を与えていなかった。また、0歳から1歳代のもの10名の聴覚障害幼児を対象に、手話による語彙数と文の初出年齢、助詞付き文の初出と手話語彙数を検討した。その結果、2語文は10例ともに1歳代で出現し、格助詞は指文字で1歳9ヶ月から2歳5ヶ月までに全員出現した。
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