研究課題/領域番号 |
23500585
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松坂 誠應 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60190435)
|
研究分担者 |
井口 茂 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70184778)
石飛 進吾 長崎大学, 大学病院, 講師 (60363454)
平瀬 達哉 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (20592752)
|
キーワード | 筋力トレーニング / 虚弱高齢者 / 運動機能向上 / 咬合力 |
研究概要 |
平成24年度まで62例について無作為化対照試験を終了していたが、平成25年度には45例を追加し、対象者は107例となった。 データ入力が終了した81例について検討した。マウスピースを使用したマシントレーニング群(介入群39名)とマウスピースを使用しないマシントレーニング群(対照群42名)(無作為化対照試験、3ヶ月間介入)において、対象者の初期評価では年齢(介入群80±7歳、対照群78±7歳)、椅子起立時間(介入群13.3±6.6秒、対照群12.7±5.1秒)、開眼片脚起立時間(介入群6.6±3.3秒、対照群6.6±4.8秒)、Timed Up & Go Test(TUG、介入群12.0±7.0秒、対照群12.5±7.3秒)と2群間で有意差は認められなかった(p>0.798)。 3か月間の介入によって、2群とも椅子起立時間およびTUGは有意に改善していたが(p<0.01)、2群間では有意差は認められなかった(p>0.512)。一方、開眼片脚起立時間は2群とも有意に改善したが、介入群の改善が著明であり(介入群12.6±10.3秒、対照群7.7±7.8秒)、2群間で有意差が出現したのは介入後10週であった。無作為化対照試験から脱落したものは7名(介入群4名、対照群3名)で有意差はなく、脱落した原因もマシントレーニングによるものではなかった。 マウスピースを使用したマシントレーニングでは体幹や頚部の筋力が改善するといわれており、体幹・頚部の安定によって介入群の開眼片脚起立時間(バランス機能)が改善したものと考える。また、介入群では対照群に比べ早期にバランス機能していることから、マウスピースを使用したマシントレーニングは虚弱高齢者のバランス機能改善に有用と思われる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国の介護予防事業対象者基準の大幅な変更、介護報酬引き下げに伴う研究協力者の介護事業本体への専念・研究事業への参加制限により研究事業が遅れたが、介入試験は終了し、平成25年度に実施予定の研究成果の公表が残っている。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年6月開催の第51回日本リハビリテーション医学会学術集会(名古屋市)、10月開催の英国理学療法士学会(バーミンガム)に発表予定である(いずれの学会でも採択)。さらに、データの解析を進め、国際的学術雑誌への投稿、広報用パンフレット作成、ホームページでの公表を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
国の介護予防事業対象者基準の大幅な変更、介護報酬引き下げに伴う研究協力者の介護事業本体への専念・研究事業への参加制限により研究事業が遅れたため、最終年度実施予定であった国内・国際学会発表、投稿原稿の英文校正、広報用パンフレット作成等の助成金が使用できなかった。 テータ入力謝金と最終年度実施予定の学会発表旅費、投稿原稿の英文校正、広報用パンフレット作成等に使用する。
|