研究課題/領域番号 |
23500585
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松坂 誠應 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (60190435)
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研究分担者 |
井口 茂 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (70184778)
石飛 進吾 長崎大学, 大学病院, 講師 (60363454) [辞退]
平瀬 達哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 客員研究員 (20592752)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | リハビリテーション医学 / 筋力トレーニング / 虚弱高齢者 / 在宅 |
研究実績の概要 |
平成26年度には、これまでの結果をまとめ、第51回日本リハビリテーション医学会学術集会(平成26年6月5~7日、名古屋市)と英国理学療法士学会(10月10~11日、バーミンガム)にて発表した。さらに、その成果をまとめ、国際的学術雑誌への投稿中である。研究期間全体を通した成果は以下の通りである。 【目的】歯牙欠損のある高齢者では転倒も多く、マウスピース(以下、MP)装着でバランス能力が改善すると言われている。一方、マシントレーニング(以下、M-TRG)は早期の筋力改善をもたらすが、バランス能力改善については一定した見解はない。本研究では、MP装着によるM-TRGでバランス能力が改善することを検証する。 【方法】対象者は65歳以上の在宅高齢者で転倒リスク数(鈴木)が5個以上、認知症自立度が正常~Iaの虚弱高齢者である。MPを装着してM-TRGを行う介入群と、単に介入群と同じM-TRGを行う対照群で無作為化対照試験を行った。M-TRGでは主に股関節周囲筋、膝関節伸筋・屈筋の強化を行った。運動負荷量はBorg指数の「楽に感じる」~「ややきつい」で週2回12週間実施した。 【結果】対象者の平均年齢は79歳で、介入群(45名)と対照群(43名)の初期評価(属性、運動評価等)には有意差はなかった。下肢筋力の指標である椅子起立時間は、2群とも有意に改善した。バランス能力を示す開眼片脚起立時間は介入群で改善したが、対照群では改善が見られなかった。 【考察】バランス能力改善が明確でないM-TRGでも安価なMPの装着だけでバランス能力の改善が認められた。この結果は、咬合状態を考慮した在宅虚弱高齢者の効果的・効率的な体力向上・転倒予防に寄与できると考える。
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