研究課題/領域番号 |
23500589
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
緒方 敦子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40305123)
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研究分担者 |
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70295244)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30325782)
川平 和美 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20117493)
林 良太 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (40288949)
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キーワード | 半側空間無視 |
研究概要 |
半側空間無視(以下USN)は日常生活活動(以下ADL)の自立を阻害するだけでなく、リハビリテーション(以下リハ)の阻害因子である。これまでも多くのUSNへのリハが報告されているが、確立されたものは少ない。我々は、ゴーグル型モニターを用いて患者が受ける視覚情報を完全に操作して、左方への視線走査や注意の強化を目指したリハを考案し、ゴーグル型モニターを使った視覚走査訓練の即時効果と、訓練時の体幹・頭部の回旋の程度を明らかにする研究を行っている。当センター入院中の脳損傷患者で、USNがあり、座位が安定している者を対象とし、ゴーグル型視覚刺激装置を用いて左側への視覚走査を促す訓練を行い、前後でBITの一部である線分二等分、線分抹消、文字抹消試験を比較した。その結果、ゴーグル型視覚刺激訓練中には全例で体幹、頭部は左方へ傾いていた。これは「身体をまっすぐに正中に戻す」という指示で元の姿勢に戻る事が可能であった。訓練前後でUSNの検査結果の改善を認めた。ゴーグル型視覚刺激装置の特徴は、ゴーグルで周囲の視界が遮られ、訓練に集中できる事である。また、左側を探索するときに体幹、頭部が左へ向く傾向がある。体幹を左へ回旋する事自体がUSNの訓練として効果的と言われており、ゴーグル型モニターを使用した視覚走査訓練は視覚走査と体幹回旋を同時に施行できる訓練として効果があると言える。これまでの結果は高次脳機能障害学会で発表した。現在、長期効果を検討中である。また、体幹回旋角度、重心移動について細かく検討するために、装置の作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ゴーグル型視覚刺激装置での視覚刺激、その効果を検討できているが、体幹回旋角度、重心移動の検討がもう少しである。今年度はそれらの検討と症例を増やしての検討、長期効果の検討を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
視覚刺激装置の修正と体幹回旋角度、重心移動測定装置の開発に取り組み、症例を増やして検討を進めていく予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
装置の開発、修正への費用と、研究成果の発表、論文発表に使用予定。
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