研究課題/領域番号 |
23500594
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大渡 昭彦 鹿児島大学, 医学部, 助教 (30295282)
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研究分担者 |
池田 聡 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00343369)
吉田 輝 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40347109)
川平 和美 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20117493)
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キーワード | マイクロダイアリシス / 神経伝達物質 / 脳の可塑性 / 運動療法 |
研究概要 |
本研究の目的は、脳損傷後の学習能力や運動機能回復のプロセスに関わる脳内物質を明らかにし、その変化を効果的に促進する最適な運動刺激や薬物治療の開発を目指すものである。我々はこれまでに、トレッドミル運動中や運動前後にマイクロダイアリシス法を使 用してモノアミン(NE:ノルエピネフリン、DA:ドーパミン、5-HT:セロトニン)の細胞外濃度変化を測定しきた。また、1週間のトレッドミル運動トレーニング前後の比較も検討を行ってきた。今後は、再吸収阻害薬を投与して行動変化を観察したり、脳梗塞モデルを使用して機能回復と神経伝達物質の関係や、それらが運動させることによりどの様に変化するかを検討する予定である。 本研究は運動を視点として行われる基礎研究であり、根拠に基づいたリハビリテーション医療を実現することが可能となり、介護の領域でも重要な位置を占める脳卒中後遺症の予後改善に貢献することが期待できる。 前年度は、ガイドカニューレの固定法など実験の基本的な部分の再検討が中心となった。当該年度は実際に測定した結果の分析や解釈、他の文献との比較を行い、さらに必要な分析方法の検討を行った。免疫組織科学的な分析に加えて、より客観的な指標が得られるリアルタイムRT-PCR法やELISA法の検討を試みたが、データのばらつきなどがあり十分な結果は得られていない。今後、引き続き検討を行いながら、神経伝達物質の受容体作動薬や拮抗薬の投与なども組み合わせて実験を発展させていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マイクロダイアリシスのデータを他者の論文と比較してみると、濃度変化の傾向に違いが見られる。動物種や運動の強度、飼育環境等どこに違いの原因があるかを比較検討する必要がある。また、リアルタイムRT-PCR法やELISA法の条件設定にも工夫が必要である。また、ラットの運動機能評価にも問題が残っており、現在の状況はやや遅れていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、実験条件の影響を比較検討して他者との違いを確認し、リアルタイムRT-PCR法やELISA法等の客観的なデータを安定して収集できるように条件設定を引き続き行う。その後、脳梗塞モデルを使用して機能回復と神経伝達物質の関係や、それらが運動させることによりどの様に変化するかを検討する予定である。また、神経伝達物質の受容体作動薬や拮抗薬の投与なども組み合わせて実験を発展させていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
申請書の計画通り、プローブや試薬、実験動物の費用などの物品費と学会参加などの旅費を中心に使用する予定である。
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