研究課題/領域番号 |
23500595
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
安 隆則 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40265278)
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研究分担者 |
百村 伸一 自治医科大学, 医学部, 教授 (10190985)
大屋 祐輔 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30240964)
佐々木 敏 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70275121)
石田 明夫 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (10343378)
伊敷 哲也 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (30363667)
岸本 幸明 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (00567068)
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キーワード | 運動 / 食事 / 末梢動脈疾患 |
研究概要 |
末梢動脈疾患ならびに虚血性心疾患を有する動脈硬化性疾患患者における包括的リハビリテーションでは、運動習慣と食習慣の行動変容が重要である。平成23年度から24年度にかけて、末梢動脈疾患や虚血性心疾患患者の食習慣と歩行運動習慣に焦点を当てた地域比較コホート研究の実施計画書に則して、琉球大学、獨協医科大学日光医療センター、自治医科大学さいたま医療センターで574例の患者登録を行い6ヶ月ごとのフォローアップを行っている。 対象と目標症例数:30歳以上80歳未満の末梢動脈疾患患者101例と比較対象として30歳以上80歳未満の虚血性心疾患患者110例、末梢動脈疾患や虚血性心疾患を有せず冠危険因子を2つ以上有するハイリスク患者363例、計574例。 観察・検査項目とその実施期間:年齢、性別、身長、体重、肥満度(BMI)、腹囲、動脈硬化リスク、血液検査データ{脂質プロフィール、クレアチニン、随時血糖、HbA1c}、万歩計による歩数測定とinternational physical activity questionnaire(IPAQ)を用いて運動習慣の定量的評価、自記式食事歴法質問票(BDHQ)と減塩に対する意識調査票を使用して食習慣の情報、治療内容に関する情報。登録後2年間、6ヶ月ごとに末梢動脈疾患の病状の進展と心血管イベント(心筋梗塞症、脳血管障害、四肢切断)発生と全死亡に関して追跡調査を行う。 主要評価項目:2年間無心血管イベント生存率 副次的評価項目:平均歩数、IPAQとBMIや腹囲、BDHQでの脂肪摂取量の関連と末梢動脈疾患の病状の進展との関連
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に患者の登録が進んでおり、初回断面調査結果をまとめることができた。 ハイリスク群に比較して、末梢動脈疾患群あるいは虚血性心疾患群の糖尿病、脂質異常症の合併率は有意に高値で、身体活動量は有意に低値となっていた。身体活動量とABIの間には、性と年齢で補正しても正相関を認め、末梢動脈疾患や虚血性心疾患の関連因子として、身体活動量は動脈硬化性疾患の負の因子として検出された。塩分摂取量は、末梢動脈疾患や虚血性心疾患群で増加する傾向を認め、栃木県では沖縄県と比較してすべての群で高かった。脂質摂取量は群間差を認めなかったが、沖縄県ではいずれの群でも基準値の25 %を超えており、栃木県や埼玉県と比較して高かった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はBDHQの解析を進め、病状の進展と心血管イベント(心筋梗塞症、脳血管障害、四肢切断)発生と全死亡に関して追跡調査を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
地域比較コホート研究において登録患者のフォローアップをすすめ、BDHQや血液データを含めたデータの解析を実施する。 研究費の使用計画については、研究打ち合わせのための旅費(沖縄―栃木 往復 約8万円×2)、学会発表のための旅費(栃木-熊本 6万円)、自記式食事歴法質問票とその解析費用(10万円)、事務消耗品(48万円)に使用予定である。
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